1試合4発で球界を驚かせたシュワーバー。しかし、彼の猛打も大谷のハイパフォーマンスには及ばない?(C)Getty Ima…

1試合4発で球界を驚かせたシュワーバー。しかし、彼の猛打も大谷のハイパフォーマンスには及ばない?(C)Getty Images

 大砲が放った衝撃の4発は、大谷翔平(ドジャース)が確実視されているMVPを巡る論争を白熱させている。

 日本でも野球ファンの間で小さくない話題となったのは、現地時間8月28日に行われたブレーブス戦で、フィリーズのカイル・シュワーバーが見せた1試合4本塁打の離れ業だ。初回の第1打席で7試合ぶりとなる46号ソロを放つと、その後も3打席で特大アーチをマーク。メジャー史上21人目、同球団では1976年のマイク・シュミット以来の快挙をやってのけた。

【動画】「信じられないほどすごい」シュワバーが1試合4発でスタンド大熱狂

 これによってナショナル・リーグの本塁打王争いで2位の大谷に4本差をつけたシュワーバーは、119を叩き出している打点でもトップに君臨。二冠王の可能性が浮上している。

 32歳のスラッガーが見せつけた印象深い連発によってMVPを巡る論争もヒートアップ。Xなどでは「DHならオオタニよりも結果を出している」「彼はフィリーズを勝たせている」「今年の成績なら十分に値する」といったシュワーバーを推す声が相次いだ。

 もっとも、米識者間では、投手として実戦に復帰し、投打二刀流を本格的に再始動させている大谷の受賞が「揺るぎない」という見方が強まっている。MLB公式ネット局『MLB Network』の解説を務めるヨンダー・アロンソ氏は「オオタニが本命であることに変わりはない。それも圧倒的にね」と指摘。日本のスーパースターを推す理由を熱弁している。

「だって他の誰も打者でありながら投げていないでしょ? だから少し偏っているかもしれないけど、俺は『オオタニは二刀流だから』って理由でバイアスがかかるよ。だって彼は投げるし、45本も打っている。もちろんシュワーバーも凄い。打点も110を超えている。それは分かってる。でも、相手はショウヘイ・オオタニだ。彼は最悪の状態でも5回は投げ切ってくれるし、世界一のチームのリードオフマンなんだ」

 また、米スポーツ専門局『ESPN』の元記者であるリッチ・アイゼン氏は、自身のポッドキャスト番組『The Rich Eisen Show』で、大谷のMVP受賞に対するオッズが「-10000」と規格外の数値に達している事実を絶句しながら紹介。その上で「マジか。これは堅いな」と伝えた。

 さまざまな意見が飛び交っているナショナル・リーグのMVP論争。その行く末は、レギュラーシーズンの最終盤まで注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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