27日、秋季東京都大会一次予選の抽選会が行われた。今夏東東京大会準優勝の岩倉は、初戦で八丈と対戦することが決まった。 抽…
27日、秋季東京都大会一次予選の抽選会が行われた。今夏東東京大会準優勝の岩倉は、初戦で八丈と対戦することが決まった。
抽選会に出席し、壇上でクジを引いたのは主将に就任したばかりの佐藤 海翔投手(2年)。この夏は初戦の田園調布戦から7試合全てで登板し、威力のある真っすぐとスライダーを武器にチームのピンチを救ってきた。同校28年ぶりの甲子園切符とはならなかったが「豊田(浩之)監督から『夏への想いが一番強い』と選んでいただいた。新チームでは勝ちへの執念を意識している」と指揮官の期待を背に、日々の練習に取り組んでいる。
佐藤には忘れられない一球がある。今夏東東京大会の決勝戦。4回途中からマウンドに上がると連覇のかかっていた関東第一相手に7回まで無失点に抑えていた。しかし、8回に一死3塁のピンチを招くと代打の井口 瑛太選手にダメ押しとなる適時打で3点目を許した。「3球目が甘く入ったところを打たれた。あそこで試合の流れが変わってしまった」。点差を2点に広げられると、勢いに乗った相手打線に捕まり、さらに3点を失った。一球の重みを肌で感じた右腕は「秋に向けて真っ直ぐの質と制球力を心がけている。一球へのこだわりを持って練習したい」と悔しさを糧に、自身の成長に繋げている。
豊田監督は決勝戦後の取材で、「夏にこれだけ試合をこなせたことは大きいが、秋は早々に負けてしまってリセットということもある。一ヵ月の間にしっかり準備をして、何がなんでも勝ち上がっていかないといけない」と前を向いていた。チームは主将兼エースとして期待がかかる佐藤に加え、正捕手を務めていた河村 柊希(2年)、遊撃手の西尾 友希(2年)ら、野手のレギュラーメンバーも残る。3年生が卒業した穴を経験者がいかにカバーできるかが上位進出のカギとなりそうだ。
秋の東京大会を制すと、来春のセンバツ出場が当確となる。岩倉が達成すれば実に42年ぶり。決勝戦でPL学園の「KKコンビ」を倒し、甲子園初出場初優勝の快挙を成し遂げた1984年以来となる。
「今年は決勝戦まで行き、他の高校よりスタートが遅れている。夏とは別のチームなので、ブロック予選から自分達の野球をしたい」(佐藤)
引退した3年生への気持ちをセンバツに繋げることが出来るのか。新主将の投球にも注目が集まる。