天候に左右されない家トレですが、「どの運動が一番脂肪燃焼に効果的なのか」、メニュー選びに迷うところ。は意外と知られていま…

天候に左右されない家トレですが、「どの運動が一番脂肪燃焼に効果的なのか」、メニュー選びに迷うところ。は意外と知られていません。パーソナルトレーナー藤本千晶さんが解説する以下記事から、脂肪燃焼効率がもっとも高い運動をお届けします。

【自宅でできる有酸素運動】脂肪燃焼ならコレ!トレーナーが選ぶ、室内でできる3メニュー

脂肪燃焼にもっとも効く運動は「サーキットトレーニング」

藤本さん:自宅で行う有酸素運動なら、サーキットトレーニングがもっともおすすめです。

サーキットトレーニングとは、さまざまなエクササイズを既定の秒数・回数で行い、それを繰り返すエクササイズです。Circuit (サーキット)= 巡回の意味の通り、複数種目を巡回するように行います。

なぜサーキットトレーニングが脂肪燃焼に適切なのか

藤本さん:サーキットトレーニング中は、動作や使う部位を変えるなどして全身を動かし続けます。そのため、心拍数はほどよく高く保たれ、有酸素運動としての効果が発揮されます。

体を全体的に引き締めるのであれば、さまざまなエクササイズを行うべきです。それらを一度に行うことで全身の筋力や柔軟性を鍛え、姿勢を改善してスタイルを良くしたり、引き締まった体型を作ることができます。

サーキットトレーニングとHIITの違い

藤本さん:イメージとして高強度インターバルトレーニング(HIIT:ヒット/ヒート)が近いと考えられます。

違う点としては、HIITは常に高強度で行う必要がありますが、サーキットトレーニングはすべて低強度のエクササイズで構成することができます。そのため、体力に自信がない人でも安心して行うことができるのがメリットです。

特別な器具は必要なく、自分の体ひとつで行うことができますし、振動を起こさないエクササイズだけで構成すれば、マンションの2階以上でも実施可能。気を使う必要のないトレーニング方法なのです。

ウォーキングやジョギングなども、心肺系に負荷をかけたいのであればとても効果的です。しかし、自宅で容易に行えない、天気に左右される、夜に行うことが多いため安全性の確保が課題といった問題点があります。

そのため、自宅で手軽にできるサーキットトレーニングは、もっとも効果が高く手軽にできるトレーニング方法なのです。

サーキットトレーニングとは。脂肪燃焼に効果的なやり方、メニュー例

サーキットトレーニングの基本のやり方

藤本さん:好きなエクササイズを6〜8つ選びます。全身の部位をまんべんなく鍛えられるよう選ぶのがポイントです。

行う順番は下半身 → 体幹 → 上半身 などのように、同じ部位が連続しないようにしましょう。

▶具体的なメニューとやり方

回数や時間設定

藤本さん:ひとつのエクササイズにかける時間を設定します。

目安は20秒〜30秒間。その間はひとつのエクササイズを無理のない速度で実施します。終わったら次のエクササイズを同様に20〜30秒間行います。

すべて行ったら、2〜3分ほど休憩し、同様に繰り返し、合計2〜3セット行いましょう。

意識したいポイントや注意点

藤本さん:行う上で意識したいのが、正しいフォームで行うことです。

正しいフォームで狙った負荷をかけることでしっかりと効果が出ます。間違ったエクササイズフォームで行っていると効果が出ないばかりか、怪我につながってしまいます。

体力がついてきたら、エクササイズ数を増やしましょう。さまざまなエクササイズを行うことで新しい刺激を体に入れることができるため、より体が変化しやすくなります。

週に1回でもOK! おすすめは週に2回

藤本さん:まったくの運動初心者であれば、最初は週に1回でもOK。4〜6週間で少し体力がついたと感じられる変化がでるでしょう。

おすすめは週に2回程度です。体に十分な刺激を入れることができて、比較的早く効果を実感できるはず。2週間程度で、少しだけ体型や体力に変化が出てきます。

後はそれを積み重ねるだけです。6〜12週間で、実感できる程度に体が変わってくると思います。

有酸素運動は20分以上やらないと効果ない?脂肪燃焼のウソ・ホント

藤本トレーナーが選ぶ、サーキットトレーニングメニュー

ここからは、実際にサーキットトレーニングの実践をお届けします。

スクワット

1.足を腰幅に開き、つま先は膝と同じ向きにする

足を腰幅に開き、立つ。つま先は膝と同じ向きにする

2.お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる

股関節からしゃがむ

3.太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る

鍛えられる部位

・大臀筋
・大腿四頭筋
・ハムストリング など

実施回数

15回×3セット

ゆっくりもも上げ

1.その場でまっすぐ立つ

2.膝を高く上げ、衝撃がないようにゆっくりと足を床に着地させる

3.これを繰り返す

慣れてきたら、腕も同時に大きく振るようにしましょう。上半身の動作を入れることで、固くなった肩まわりをほぐして軽くする効果も期待できます。

見かけによらず、下っ腹への負荷も大きいため、やり過ぎると筋肉痛が激しくなります。翌日以降の生活に支障が出ない範囲で、無理なく行いましょう。

実施回数

1セット30回×5〜10セット。※セット間の休みは30秒程度

クランチ

1.仰向けで膝を軽く曲げ、手は頭の後ろで組む

クランチのやり方 仰向けに寝転がった状態で膝を軽く曲げる

2.腹筋を意識し、上半身を丸めながら起こしていく

クランチのやり方 腹筋を意識し、上半身を丸めながら起こしていく

3.上体を起こし終わったら、腹筋を意識しながらゆっくりと戻していく

実施回数

15回×3セット

鍛えられる部位

・腹直筋

スーパーマン

1.うつ伏せの状態で手と足を伸ばす。手と足は開き過ぎないように注意!

スーパーマンのやり方1 うつ伏せで手と足を伸ばす

2.手足を浮かせて、キープする


スーパーマンのやり方2 手足を浮かせてキープ

実施時間

20秒

トレーニングのポイント

・手足の幅は広げすぎず、力まないようにする
・腰の反りすぎと、アゴの上げすぎに注意!

鍛えられる部位

・僧帽筋
・広背筋
・脊柱起立筋
・臀筋

ディップス

1. 両手でディップスバーを握り、カラダを持ち上げる。脚はまっすぐ伸ばすか、ヒザを曲げて後ろで組む

2. ヒジを曲げながらカラダを下ろしていきます。ヒジと同じ高さくらいになるまで肩を下ろす

3. 限界まで下ろしたらヒジを伸ばしていき、元の姿勢に戻る

上記の動作を繰り返しましょう。

実施時間

10回を目安に2~3セット

鍛えられる部位

・肩の筋肉である“三角筋(前部)”
・上腕の裏側にある筋肉“上腕三頭筋”
・胸の筋肉“大胸筋”

また、肩甲骨周辺にある小さな筋肉群“インナーマッスル”などを刺激し、肩の関節まわりの安定性を高める効果も期待できます。

タオルロウ

1.肘を伸ばし、膝を曲げずに、前傾姿勢になる

2.タオルを伸ばして持ち、左右交互にひねっていく

3.腰の位置までタオルが上がるとき、視線は手と同じ方向へ向ける

実施回数

20秒×3セット

鍛えられる部位

・脊柱起立筋
・腹斜筋

執筆&監修者プロフィール

藤本千晶(ふじもと・ちあき)

女性の体型改善専門パーソナルトレーナー、オンラインダイエットコーチ。保有資格CSCS*D、スポーツ科学修士。仙台大学大学院修士課程修了後、アスリートのトレーニングコーチなどを務める。2018年からフリーランスとなり、栃木県宇都宮市で女性の体型改善専門パーソナルトレーナーとして活動。クライアントの年齢による体型の変化と、健康の悩みに日々向き合いながらも、ブログやSNS、メディアでの情報発信、オンラインビデオコースの作成を通じて、多くの女性に貢献している。NSCAジャパン北関東アシスタントエリアディレクターとしても活動。地域のパーソナルトレーナーにスキルアップの機会を作る企画・運営も務める。
オフィシャルHP:http://scoprire.jp
Instagram:https://www.instagram.com/chiakifujimoto/

<Text:藤本千晶>