（9日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 聖隷クリストファー5―1明秀日立） 決勝点を含む2打点を、6番打者の江成…
（9日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 聖隷クリストファー5―1明秀日立）
決勝点を含む2打点を、6番打者の江成大和左翼手（2年）がたたき出した。
同点で迎えた六回表1死満塁。直球に詰まらされて二ゴロとなったが、勝ち越し点になった。同学年の高部陸投手（2年）に「江成オッケー」と声をかけられ、「オッケー」と返した。
八回、スクイズでさらに1点加えた直後の2死二塁。今度は、直球をしっかり振り抜いた。いい感触だ。でも、正面かも。相手投手のグラブをはじき、二塁手も追いつけなかった。転がる打球に「よし、抜けた」。二塁走者の渡部哉斗選手（3年）がかえり、この回2点目。江成選手自身も、この回3点目のホームを踏んだ。
力強い打撃が持ち味だ。1年夏からベンチ入りし、秋には4番になった。今春は調子を崩した。「なんで打てないんだ」。涙がこぼれたこともある。
静岡大会は主に6番に入った。決勝では3度、得点圏に走者がいる場面で打席を迎えたが、いずれも凡退。「チームのためのプレーができなくて悔しい思いをした」。仲間がカバーしてくれた分、甲子園では「みんなが苦しい時に自分が助けられるバッティングをしたい」と誓った。
甲子園が決まってから、全体練習の後もトス打撃など自主練習を重ねた。初戦前日の8日には、打撃練習が良い感覚で終われず、夜に1人で素振りをした。「大丈夫、打てる」。感覚をつかんで、初戦に臨んだ。
まだ思うような理想の打球は打てていないが、うまくバットが出るようになってきた。復調の兆しだ。「次の試合も勝つ。自分の打撃で、チームを勝利に導きたい」と力強く語った。（斉藤智子）
