9日に全国高校野球選手権大会の初戦を迎える青森代表の弘前学院聖愛。チームを支える2人のマネジャーは、原田一範監督の次女…
9日に全国高校野球選手権大会の初戦を迎える青森代表の弘前学院聖愛。チームを支える2人のマネジャーは、原田一範監督の次女と三女だ。親子「三人四脚」で、12年ぶりの甲子園勝利に挑む。
「あと5分!」。グラウンドに原田璃乙さん(3年)の声が響く。道具の準備、片付けやスポーツドリンクの用意だけでなく、練習の残り時間を伝えるのもマネジャーの役目。妹の蒼依さん(1年)とともにチームを切り盛りする。
姉妹にとって、聖愛野球部は身近な存在だった。璃乙さんが小学校3年生の時まで、原田家全員が野球部の寮に選手たちと一緒に住んでいた。
璃乙さんの三つ上の姉・南七海さんも聖愛のマネジャーを務めた。「子どものころから聖愛野球部が好きで、マネジャー以外に進む選択肢なんて考えられなかった」と璃乙さん。蒼依さんは「姉たちと同じ道に進みたかった」。マネジャーになるのは姉妹にとって必然だった。
父親との距離感は難しい。グラウンドでは選手たちと同じように「のりさん」と呼ぶべきだが、恥ずかしいので言えない。プライベートでは「パパ」と呼ぶが、父親との家庭の時間はほとんどない。
原田監督は9年前に自宅を購入後も寮生との生活を続けている。自宅に帰ってくるのは、璃乙さんいわく「お盆と正月ぐらい」。だから、マネジャーとしての時間は、なかなか過ごせない親子の時間でもある。
原田監督は「正直に言いますけど」と前置きして、野球部で娘たちと過ごす時間についてこう語った。「よく、公私混同をしてはいけないと言いますが、私は娘たちがマネジャーで幸せです」
今回、璃乙さんは記録員として、甲子園のベンチに入る。4年前に甲子園に出場したときは、姉の南七海さんはベンチ入りできなかった。「甲子園を楽しみたいです」と璃乙さん。姉と妹の分まで、ベンチから聖愛の活躍をその目に焼き付ける。(小田邦彦)