バレーボール女子日本代表で、7月28日に閉幕したネーションズリーグ(VNL)で活躍した秋本美空(18)=姫路=が1日、東…
バレーボール女子日本代表で、7月28日に閉幕したネーションズリーグ(VNL)で活躍した秋本美空(18)=姫路=が1日、東京都内で会見し、ドイツ1部・ブンデスリーガのドレスナーSCに期限付き移籍することを表明した。今年1月に春の高校バレー(全日本高校選手権)で東京・共栄学園高を優勝に導いた期待の星は「代表の試合を通して、もっともっと海外に通用する選手になりたいと思った」と海外挑戦への決意を示した。
女子バレーボール界の未来を背負う〝大器〟が、高校卒業から半年弱で世界へ羽ばたく。秋本は強い意志を口にした。
「日本代表には海外で活躍している選手もいるけど、それでも海外相手に勝てないと今回(のVNL)で学んだ。もっと成長したいと思った」
現在の日本代表には、主将の石川真佑(25)=ノバラ=やセッター関菜々巳(26)=ブストアルシーツィオ=が世界最高峰といわれるイタリア1部・セリエAでプレー。昨季、ミラノに所属したリベロ福留慧美(27)=姫路=ら海外経験者は多い。それでも、自身を含めて個の力をさらに高める必要があると感じたようだ。
「経験を積んで、全てのプレーにおいて成長したい。五輪で金メダルを取るチームに自分ができるように」と決意を込めた。
姫路の上原光徳社長によると秋本との契約には海外挑戦を支援する条項があり、その上でチームのアビタル・セリンジャー監督や、母の愛さん(旧姓大友)らと話し合いを重ねた。
「セリエAはミスをするとすぐにベンチに下げられるが、ドイツは若手を育てるリーグで、秋本に合っている」という監督の推薦と人脈で、ドイツの強豪、ドレスナーSCとの契約に至った。「お母さんは行った方が絶対成長できると、前向きな言葉をかけてくれた」と愛さんも背中を押してくれた。
ドイツ東部のドレスデンを本拠地とするドレスナーSCは国内リーグを6度、カップ戦を7度制した強豪。契約は8月1日から来年5月末までの期限付きだが、上原社長は「欧州(チャンピオンズリーグなど)に出ていくチーム。秋本を見てくれる(他リーグの)チームもあると思う」と、イタリアなどへの将来的な移籍の可能性を認めた。
4位に終わったVNLで秋本は13試合に出場し、計34得点。今月22日開幕の世界選手権(タイ)に出場予定で、大会終了後にドイツへと渡る。英語を猛勉強中という18歳は「プレッツェルがおいしいって聞いた。言葉が通じないのは不安だけど、ご飯がおいしいとか、街がきれいとか調べたので楽しみ」と屈託ない笑顔を見せた。(只木信昭)
■秋本 美空(あきもと・みく) 2006(平成18)年8月18日生まれ、18歳。神奈川県出身。アウトサイドヒッター。母は2012年ロンドン五輪銅メダリストの愛(旧姓・大友)さん。小2で競技を始め、東京・共栄学園中3年時に全国中学大会で優秀選手。22年、U18アジア選手権優勝。23年に日本代表候補に初登録。25年1月の春の高校バレー(全日本高校選手権)で共栄学園高の主将としてチームを優勝に導き、卒業後にSVリーグ・姫路に入団。ネーションズリーグでA代表公式戦にデビューした。身長185センチ、体重68キロ、最高到達点316センチ。
★ドレスナーSC(Dresdner SC)とは
1874年創立のサッカークラブを発祥として、98年に創設されたドレスデンを代表するスポーツクラブ。バレー女子は1990年に設立され、ドイツ1部・ブンデスリーガで6度、ドイツ協会杯では今年を含めて7度優勝している。2024-25年シーズンのリーグは準優勝。アレクサンダー・ワイブル監督。