「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

熊谷 敬宥 くまがい・たかひろ
仙台育英高→立教大
内野手・右投右打・175センチ72キロ・1995年11月10日生(21歳)

 

 国内外での豊富な経験と真摯な人間性に裏打ちされた堅実なプレーが光る遊撃手。特に捕球範囲が広く、正確な送球が光る守備は大学球界ナンバーワンと言ってもいい。

 仙台育英では上林誠知(ソフトバンク外野手)、馬場皐輔(仙台大投手)小林遼(富士大捕手)らとともに、2年秋に明治神宮大会優勝。3年春夏と甲子園に出場し、春は8強入り。夏は初戦でセンバツ覇者の浦和学院と戦い、4安打を放ち最後はサヨナラ二塁打を放つ大活躍で甲子園のファンを熱く沸かせた。

 そして、甲子園後には高校日本代表入りを果たし、18UW杯で打率.333、4打点5盗塁をマーク。台湾戦、キューバ戦で三塁打を放つなど印象的な活躍をして、松井裕樹(楽天投手)らとともに準優勝に貢献した。

 立教大入学後は、3年春からレギュラーを獲得。今春は主将としてチームを牽引し、立教大を35季ぶりの優勝に導き、全日本大学野球選手権では実に59年ぶりの日本一に輝いた。また、侍ジャパン大学代表に選出されて、日米大学野球とユニバーシアードに出場。ユニバーシアードでは好守や確実な犠打でチームに貢献して、金メダルを獲得した。

 そして、この豊富な経験が打撃にもフィードバックされてきた。3年春のレギュラー獲得後3季のリーグ戦打率は、.196、.222、.222と低調に終わってきたが、今秋は10試合を終えて打率.314をマーク。熊谷も「1球で仕留めることを心がけていて、それができています。大学選手権や国際大会で緊迫した試合を経験してきたことが生きています」と手応えを語っていた。

 また、代表期間中に来秋ドラフト候補にも挙がる中川圭太(東洋大3年)のバットの持ち方を参考にして「左手の3本の指(中指、薬指、小指)で振るイメージにしたところ、バットの芯で打てるようになりました」とも言う。
 
 右投左打の野手が多い日本球界において、右打ちで打力が増していくと、その価値はさらに上がってくる。そして、当初は打力よりも高い守備力が評価されての入団ながら、1年目から安打を量産した源田壮亮(西武)や京田陽太(中日)の例もある。
 また人間性も評価されているだけに、チームにとってあらゆる面で欠かせない存在に成長を遂げる可能性が十二分にありそうだ。

文・写真=高木遊