「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

近藤 弘樹 こんどう・ひろき
安佐北→岡山商科大
投手・右投右打・187センチ82キロ・1995年6月27日生(22歳)

 

 187cmの長身から最速152km/hのストレートを投げ下ろす剛腕も、広島・安佐北高時代までは全国的には無名の存在だった。2年夏に広島大会16強に進み、秋には8強へ進んだが、最後の夏は3回戦敗退。甲子園への道は遠く、頭角を現したのは岡山商科大に進んでからだ。

 高校時代は理系進学コースに在籍し1日1時間半ほどの練習しかできなかったが、大学に入ると練習時間が増えて、高校時代に最速142km/hだった球速は、1年春には140km/h台後半をマークするようになった。

 また、1年春から先発を任されて「うちのリーグ(中国地区大学野球)はファウルで粘ったり、足を使ってきたりと、嫌らしいチームが多いので、早くから投げられたことは良い経験でした」と振り返るように、場数を多く踏めたことも成長を加速させた。
 さらに新たに習得したチェンジアップは左打者の外に逃げていく軌道のため、左打者も苦にしない。

 今春はシーズン7勝(8完投)を挙げ、黒星は9回1失点での 1つのみという大活躍でチームを全日本大学野球選手権に導いた。そして自身の野球人生初となる全国大会でも、名門・近畿大を相手に、8安打を浴びながらも2四死球2失点8奪三振で完投勝利を挙げた。
 この好投には、中日・中田宗男スカウト部長も「力でねじ伏せる馬力型の投手ですね。体格も素晴らしいですし、その体をまだ使いきっていないので、まだまだスピードが出る余地があるでしょう」と将来性も含めて高く評価した。

 そして今秋は、これまでよりも下半身に粘りが生まれ、球持ちが良くなった。キレと制球力の精度が上がった。また全国の舞台を経験したことで堂々としたマウンドさばきを見せるようになり、相手が合っていないと見るやチェンジアップやカーブ主体の投球に切り替えるなど引き出しが増えた印象だ。

 もし支配下ドラフトでの指名となれば、連盟所属選手(社会人経由や育成ドラフト除く)では初となるが、その快挙達成はすでに確実視されている。

文=高木遊 写真=伊藤華子