(24日、第107回全国高校野球選手権青森大会決勝 弘前学院聖愛6―5八戸学院光星) 「キャプテン、やってくれ!」 3…
(24日、第107回全国高校野球選手権青森大会決勝 弘前学院聖愛6―5八戸学院光星)
「キャプテン、やってくれ!」
3点を追う九回無死一、二塁。ベンチからの声が、八戸学院光星の山上春人主将(3年)の背中を押した。「何も考えずに、バットを振ろう」。内角の直球をとらえると、打球は右中間を破った。2点適時二塁打となり、1点差まで追い上げた。塁上で高々と右手を突き上げ、「俺の後に続け」と言わんばかりにほえた。
準決勝の後に弘前学院聖愛の試合映像を見て、「コントロールが良く、安定感がある」と見る相手エースの芹川丈治投手(3年)の攻略法を練った。初回には自らの左前適時打などで2点を先制した。だが、その後は好機をたびたびつくるも決め手を欠き、なかなか突き放せなかったのが、最後に響いた。
新チームになってから、苦しいことの方が多かった。仲井宗基監督から主将に指名されたが、チームをまとめきれず、打撃の調子も上向かない。「自分がキャプテンでいいのか……」。悩み、考え込んだ時期もあった。それでも、仲間たちは自分を信じてついてきてくれた。だからこそ、ここまで来られたと思う。
今春の東北大会で準優勝し、チームの成長を実感した。「最後に甲子園に出て、花を咲かせよう」。そう誓った夏。準決勝までの全試合をコールドで勝ち上がる快進撃を見せた。主将として5割を超える打率を残し、チームを引っ張った。
甲子園にはあと一歩届かなかったが、大切なことを学び、大切なものをたくさん得た2年半だった。「きっと、今後の人生につながるものがある。全国から集まって一緒に野球をしてきた仲間にありがとうと言いたい」
晴れやかな表情が、夏空に映えた。(野田佑介)