（22日、第107回全国高校野球選手権熊本大会準決勝 有明5―0熊本工） 「絶対にリベンジしてやる」。熊本工のエース山…
（22日、第107回全国高校野球選手権熊本大会準決勝 有明5―0熊本工）
「絶対にリベンジしてやる」。熊本工のエース山本凌雅投手（3年）は強い思いを秘め、マウンドに上がった。相手は昨秋の熊本県大会準決勝で、逆転負けを喫した有明。その試合で先発した自分も3点を奪われた苦い記憶が残る。
この日は初回、1、2番の打者に連打を許し、いきなりピンチに。「ここを抑え、流れをチームに持ってくる」。ギアをあげ、後続を3連続三振に仕留めた。球場の掲示板に刻まれた球速は141キロ。自己最速だった。
三回までは無失点だったが、四回に突然、制球が乱れた。「特別な変化はなかった」はずが、四死球と暴投が絡み、2死満塁。迎えた9番打者に投じた5球目。高めに浮いたのを右前に運ばれ、2失点。均衡が崩れた。
昨夏は甲子園の初戦で先発のマウンドに立った。好投したが2点を奪われ、敗退。「甲子園で勝てるチーム」を目標に厳しい練習に耐えてきた。今大会は準々決勝までの全3試合を1人で投げ、失点1。エースナンバーにふさわしい活躍をみせていたが、この日は勝負球が甘くなった。
2年連続の甲子園には届かなかったが、「充実した3年間だった」と試合後に振り返った。「負けてしまったけど、感謝しかないです」。支えてくれた周囲へのお礼を述べ、球場をあとにした。（座小田英史）
