(20日、第107回全国高校野球選手権広島大会準々決勝 広島商0―1瀬戸内) 広島商の二枚看板が、肩を並べて球場を後に…
(20日、第107回全国高校野球選手権広島大会準々決勝 広島商0―1瀬戸内)
広島商の二枚看板が、肩を並べて球場を後にした。
スコアボードに17個のゼロが並び、迎えた九回裏。背番号10の大宗和響(かずき)投手(3年)がマウンドに上がった。
23年ぶりに8強入りした春の選抜大会では、大宗投手がエース番号を背負った。「背番号1を誰にも譲る気はない」との思いを強くしていたが、大会が終わると、結果を出した徳永啓人(ひろと)投手(同)がエース番号をつけた。
夏のこれまでの3試合は徳永投手が先発したが、連戦となったこの日、その大役は大宗投手に任された。
八回まで瀬戸内に8安打を許すものの、本塁は踏ませぬ投球。延長がよぎる九回裏、先頭打者を内野の悪送球で二塁に進ませると、安打で1死一、三塁。「絶対、自分が抑えよう」と投じた球は中前に返される。サヨナラ負け。
試合後、大宗投手は「変化球や直球が狙ったところに決まり、調子は良かった。でも勝てなかったら、全く意味がない」と振り返った。
毎日のようにキャッチボールをしてきた大宗投手と徳永投手。大宗投手が「どんな場面でも粘り強くゼロに抑える徳永の投球を引き継げず、投げずに終わらせてしまって申し訳ない」と言えば、徳永投手は「粘り強く投げきって、しっかり自分の役割を果たしてくれた」とたたえた。
「最後まで、一緒に投げ抜いてくれてありがとう」。徳永投手が声を震わせながら大宗投手に言うと、並んで球場を去った。(遠藤花)