「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」田中 俊太 たなか・しゅんた東海大相模高→東海大→日立製作所内野手・右投左打・180センチ83キロ・1993年8月18日生(24歳) 3月のワールドベースボール・クラシック™(WBC)で侍ジャパントップ…

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

田中 俊太 たなか・しゅんた
東海大相模高→東海大→日立製作所
内野手・右投左打・180センチ83キロ・1993年8月18日生(24歳)

 3月のワールドベースボール・クラシック™(WBC)で侍ジャパントップチーム入り。セ・リーグの最高出塁率と盗塁王のタイトルも獲得した田中広輔(広島)の実弟。巧みなバットコントロールと勝負強い打撃、堅実な二塁守備を持ち味にしている。

 神奈川県厚木市出身の田中は、ここまで華やかな球歴を刻んできた。市立依知南小では相模原イーグルスでソフトボールを、市立依知中では相模原ホワイトボーイズ(現:相模ボーイズ)でプレー。東海大相模高では二塁手として2年春から3季連続で甲子園に出場。2年夏は甲子園準優勝。3年春は準決勝・履正社(大阪)戦では満塁ホームランを放つなど中軸を担い、全国優勝を果たした。

 さらに二塁手に転じた東海大でも全国大会に3度出場。3年春の大学選手権では準決勝の創価大戦で逆転打を放つなど日本一に貢献。2年秋・3年春・4年秋には首都大学リーグベストナインを獲得し、満を持して2015年ドラフトを迎えた。

 しかし結果は無念の指名漏れ。すると田中はここまで兄と同じ道を歩んできた球歴に袂を分かち、社会人野球・日立製作所への道を選択。これが大きな飛躍につながった。1年目からレギュラーに定着すると、都市対抗では21打数8安打で準優勝の原動力となり、新人賞に該当する「若獅子賞」を受賞。年間通じても安定したパフォーマンスを続け、社会人野球ベストナインに選出された。

 さらに今夏都市対抗ではチームは三菱重工名古屋の前に初戦敗退に終わる中、自身は7回に反撃ののろしを上げるホームラン。侍ジャパン社会人代表に選出され「BFAアジア選手権」で1番・セカンドを任されると、決勝戦ではチャイニーズ・タイペイのエース左腕・呂彦青に対し先制タイムリーを5回に浴びせるなどアジア制覇を呼び寄せる功績を上げている。

 大学までのホップ、社会人でのステップを経て、志すはプロでのジャンプアップ。尊敬する兄・広輔を超えてさらなる高みを目指すべく、10月26日・田中俊太は襟を正してその時を待つ。