(17日、第107回全国高校野球選手権福岡大会4回戦 八女1―8九州国際大付=七回コールド) 7点のリードを許していた…
(17日、第107回全国高校野球選手権福岡大会4回戦 八女1―8九州国際大付=七回コールド)
7点のリードを許していた七回。「思い切り、楽しんでやろう」。八女の吉門海音投手(3年)は、むしろ晴れやかな気持ちでマウンドにいた。
今大会は、思うような投球ができていなかった。城南と戦った初戦の2回戦では9回を投げきったが、4失点。七回途中から救援した3回戦の香椎工戦は勝負どころの八、九回に得点を許した。
この日は五回途中、先発した古賀倫太朗投手(2年)に「ナイスピッチング」と声をかけてマウンドに立った。今大会では抑えようという思いが強すぎたことに気付いた。だからこの日は「気負いすぎるのをやめた」。
七回2死、最後の打者を中飛に打ち取ると、跳びはねながら「よっしゃ」と絶叫。この回を無失点で終わらせた。最後の球に選んだのは得意のスライダーではなく、直球。「逃げずに、まっすぐ挑もうと思って」。自分らしく最後まで投げきった。
結果は2年前の優勝校でもある九州国際大付を相手に七回コールド負け。「もっといい投球ができなかったか」と悔いは残る。
それでも、チームが2回戦、3回戦と1点差の接戦を勝ちぬいたことは誇りに思う。「みんなで最後まで笑顔であきらめずに戦えた。八女で野球がやれてよかった」(山本達洋)