(17日、第107回全国高校野球選手権愛媛大会2回戦 伊予4―5三島 =延長10回タイブレーク) 伊予の新野蒼生(あお…
(17日、第107回全国高校野球選手権愛媛大会2回戦 伊予4―5三島 =延長10回タイブレーク)
伊予の新野蒼生(あおい)主将(3年)は4―2でリードしていた七回裏2死、左翼から救援のマウンドに上がった。先発の新田亜丈(あじょう)投手(2年)がこの回に初安打を許した直後の交代だった。
新野主将は春まではエースだった。腰を痛め、背番号「1」は新田投手に譲った。後輩が踏ん張ってくれただけに「抑えてやろう」と意気込んだ。しかしこの回に1点を奪われ、九回裏2死二塁から三島の伊藤廉人主将(3年)に甘く入ったカットボールを左前に打たれ、土壇場で追いつかれた。
タイブレークの延長十回裏、無死満塁からスクイズが投前に転がった。捕手にグラブトスしようとしたが、球はグラブをすり抜けた。しばらくうつぶせになったまま立ち上がれなかった。
整列後、三島の伊藤主将に抱擁された。「伊予の分も頑張るけん」と声をかけられた。
頑張っている姿を一番見せたいと思っていたのは2人の祖父と2人の祖母だ。公式戦だけでなく練習試合も応援に来てくれて、家に行くたびに好物の手料理を振る舞ってくれた。この日もマウンドから応援席の4人の姿が見えた。
これからも野球は続けるつもりだ。「じいちゃんとばあちゃんに、もっと活躍するところを見せたいと思います」(堀江泰史)