(16日、第107回全国高校野球選手権宮城大会2回戦 大崎中央6―0佐沼) 苦しい一年だった。野球経験を見込まれた佐沼…

 (16日、第107回全国高校野球選手権宮城大会2回戦 大崎中央6―0佐沼)

 苦しい一年だった。野球経験を見込まれた佐沼の高橋歩睦捕手(3年)が二塁手からコンバートしたのは、昨年の夏。直後に左手をけがし、2月まで満足に練習できなかった。

 「お前しかいない」という仲間の期待が支えだった。

 この日は、タイプの違う4人の球を受けた。直球で押す佐々木聖泰投手(3年)には「丁寧に」と気持ちを落ち着かせ、佐藤迅投手(1年)には制球力を生かす配球をした。

 九回。2死まで追い詰められたところで打席へ。初球を迷わず振り抜いた。ところが、一塁走者が相手の二塁手と交錯し、守備妨害で試合終了。予想外の結末に、一塁上で肩を落とした。

 苦しくも、短い一年だった。「もっと上に行きたかった」。悔しさが残った。(三村悠)