サッカーJ1横浜FCは11日、ポルトガル2部オリベイレンセに期限付き移籍していたMF永田滉太朗(20)が、同1部の強豪…

 サッカーJ1横浜FCは11日、ポルトガル2部オリベイレンセに期限付き移籍していたMF永田滉太朗(20)が、同1部の強豪ポルトへ完全移籍すると発表した。

 永田は中学時代から横浜FCの育成組織で育った。海外移籍が可能になる18歳を迎えた2023年夏に横浜FCとプロ契約を結び、同時にポルトガル2部のオリベイレンセに期限付き移籍した。158センチと小柄ながら、巧みなドリブルと精度の高い左足のキックを生かして、昨季はリーグ戦29試合に出場し、3得点を挙げた。

 Jリーグで出場経験のない選手の異例とも言える名門クラブへの移籍には、横浜FCの親会社である「ONODERA GROUP(オノデラグループ)」が近年進めてきた経営戦略が関わっている。

 オノデラグループは22年11月に、オリベイレンセの経営権を取得。一つのオーナーや資本が、複数のクラブを保有する「マルチクラブオーナーシップ(MCO)」の仕組みを活用し、元日本代表FWの三浦知良(58)を筆頭に、横浜FCの選手を次々とオリベイレンセに期限付き移籍させてきた。

 「欧州チャンピオンズリーグ(CL)でプレーする」という夢を抱いていた永田は、若手枠の「第1号」として送り込まれた。

 欧州挑戦という選手の希望をサポートしつつ、ステップアップする際の移籍金で横浜FCの収入を増やすことが一つの狙いだ。永田のポルト移籍はオノデラグループと横浜FCが目指していた形と言える。

 ポルトはリーグ優勝30回を誇り、03~04年シーズンに欧州CLを制覇したこともある。永田は横浜FCを通じ、「やっとスタートラインに立てたという気持ちです。ここからたくさんの壁があると思いますが、自分らしく乗り越えて成長できたらなと思います。いいニュースを日本に届けられるように頑張ります」などとコメントした。