◇国内女子◇資生堂・JAL レディスオープン 最終日(6日)◇戸塚CC西C(神奈川)◇6766yd(パー72)あきらめ…

最終18番のバーディパットを決めた。木戸愛は最後まであきらめなかった

◇国内女子◇資生堂・JAL レディスオープン 最終日(6日)◇戸塚CC西C(神奈川)◇6766yd(パー72)

あきらめない心がドラマを呼んだ。1打ビハインドで迎えた最終18番。木戸愛の放ったバーディパットは12mのスライスラインを描き、カップに飛び込んだ。張り詰めた緊張が弾け、大歓声が会場を揺らす。「入ったら良いなとは思っていたけど、まさか…。最後まであきらめなければ、ああいうこともあるんだな」。ひざを折り、右手を力強くにぎった。

最後まで食らいついた

最終日最終組を回るのは2023年「パナソニックオープンレディース」以来。「フラットな気持ちで、やり抜きたい」と平常心を意識してスタートしたが、前半6番までに2バーディ、3ボギーと出入りの激しいゴルフとなった。それでも何とかスコアをまとめ、後半10番、14番(パー3)でバーディ。プロ18年目の35歳は最後の最後まで食らいついた。

悔しさを糧に

通算9アンダーで永峰咲希とのプレーオフに持ち込み、1、2ホール目はともにパー。3ホール目のパーパットがカップのふちに蹴られた。「やっぱり悔しい。もっと練習しないと駄目ですね」と振り返る。しかし、今大会前の15試合で予選落ちが5回、トップ10は0回だったことを思えば、収穫はあった。

「12年349日」ぶりの勝利を目指した

2023年12月11日に他界した元プロレスラーの父・木戸修さんを思いながら戦った。「ずっと見守ってくれていると思う。それが自分のパワーになっている」と言う。「『最後は自分でつかんで、乗り越えていかないと』という言葉もよく言われていたので」。生前にかけられた言葉が、今の境遇に重なる。

2012年「サマンサタバサレディース」以来12年349日ぶり、ツアー最長のブランクVとはならなかった。「(優勝争いの経験は)次につながるもの。これからもあきらめずにチャレンジしていきたい」。父の背中を追って、努力を重ねる。(横浜市旭区/合田拓斗)