東・西東京大会の開会式が5日、神宮球場(東京都新宿区)であった。大会には東西あわせて268校249チーム(東138校1…
東・西東京大会の開会式が5日、神宮球場(東京都新宿区)であった。大会には東西あわせて268校249チーム(東138校126チーム、西130校123チーム)が出場する。開会式には、期末試験などで都合がつかなかった学校を除く253校237チームが参加した。
東京消防庁音楽隊の演奏に合わせ、約5千人の選手たちがグラウンドを行進。東京都高校野球連盟の根岸雅則専務理事の開会宣言で、大会が開幕した。
近年の猛暑をふまえ、都高野連の小山貢会長は熱中症対策を呼びかけた上で、「一人ひとりの思い出に残る若さあふれる素晴らしい大会が甲子園までつながるよう祈念します」とあいさつ。朝日新聞社の宮嶋加菜子東京総局長は「グラウンドには勇気があふれています。仲間と一緒に努力してきた日々を信じて、勇気をもって全力を尽くして下さい」とエールを送った。
都教育委員会の坂本雅彦教育長は「他校の選手とも勝敗を超えた絆や友情を育んでください」と祝辞を述べた。
昨夏の優勝校からは優勝旗が返還された。関東第一の越後駿祐主将(3年)は「改めて優勝旗を取り返すぞという気持ちになった」。早稲田実の中村心大主将(同)は「神宮球場に入って、チーム全員スイッチが入った。初戦に向けて仕上げていきたい」と話した。
大会は日程通り進めば、決勝は東大会が28日、西大会が29日にある。(岡田昇)
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「最後の1球、最後の1歩まで、自分を、仲間を信じ、堂々と真っすぐに命を懸けて戦いぬくことを誓います」
選手宣誓を務めたのは、今春の都大会で初優勝した東亜学園の山下海龍(みりゅう)主将(3年)。一言一言をかみ締めながら声を張り上げた。
練習に励む中、宣誓の言葉を考えた。意識したのが「人は1人では強くなれない」というフレーズ。「そう教えてくれた仲間たちのためにも入れたかった」と山下主将。
仲間や家族、監督らへの感謝を述べ、「この一瞬が人生で一度きりのいまであることを胸に刻み、私たちはこの夏にすべてをかけます」と誓った。
東東京大会の第1シードとなり、追われる立場だ。大役を終え、「甲子園に出場して恩返しができれば」。試合に向けて意気込んだ。(石平道典)
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国歌と大会歌「栄冠は君に輝く」は、国立(くにたち)音大付音楽科の3年生2人がそれぞれ独唱した。校内の1~3年生約40人の希望者から選考を経て決まったといい、透き通った歌声が響きわたると、球場は大きな拍手に包まれた。
国歌を独唱した森沢咲良(さくら)さんは、3年連続の立候補でこの舞台に立った。ここ数年で祖父母が立て続けに亡くなったといい、「天国まで届けと思って歌った」。
大会歌を独唱した前粟蔵(まえあわくら)菜々子さんは、晴れた青空に純白の球が飛ぶことをイメージした水色のワンピースをまとって参加。「普段の劇場と違って360度、視界が開けており緊張したが、応援の思いを込めました」と話した。(武田遼)
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開会式の司会は、大森学園の高橋凛海さん(3年)と日体大荏原の中野美来さん(同)が務めた。2人は各チームのマネジャーとして、大田スタジアムで球場アナウンスを担当してきた。今回の大役を任され、「運がいい!」と喜んだ。聞き取りやすいよう発音やイントネーションを工夫し、カラオケボックスで練習もしたという。
本番は2人ともノーミスだった。高橋さんは「高校生活を野球部に費やしてよかった。最後の大会が始まり、ちょっと寂しい気持ちにもなった」。中野さんは「いざ本番となると緊張がなくなった。選手たちも悔いなく夏を終えてほしい」と話した。(上保晃平)
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開会式に先立ち、育成功労賞の表彰があった。高校野球の育成と発展に尽くした指導者に日本高校野球連盟と朝日新聞社が贈る賞で、今年、東京都内からは外池修一さん(69)と嶋田雅之さん(62)が選ばれた。
小金井工業(当時)などで監督や部長を務めた外池さんは「感無量です。これからも高校野球の発展のために、少しでも力を尽くせたら」。日野を率いて2013年には西東京大会で準優勝した嶋田さんは「いろいろな子に野球を教えて、裾野を広げていきたい」と話した。(岡田昇)
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長年にわたり大会を支えたとして、スリーボンドスタジアム八王子のグラウンドキーパーで東京都八王子市職員の佐宗功さん(63)が東京都高校野球連盟特別功労賞に選ばれた。
元高校球児で、大成の主将として第61回大会の開会式に参加。表彰式で46年ぶりに神宮のグラウンドに立った佐宗さんは「夢のよう。仕事を続けてきて良かった」と笑顔だった。(野田枝里子)
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東東京大会の始球式は、駿台学園中の3年生バッテリーが務めた。中村蒼一郎さんの低めの速球が石川航也さんのミットにズバリとおさまると、球場は拍手とどよめきに包まれた。
中村さんは「プロ野球でも使われるマウンドに初めて立った。また戻って来たい」。石川さんは「高校では打力のある捕手としてチームの中心になりたい」と話した。(上保晃平)
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西東京大会の始球式を務めたのは、江戸川区立上一色中の昆野央宙(ちかと)さんと青柳優人(ひろと)さんの3年生バッテリー。ミットをめがけて投げた球は低めに決まり、歓声が上がると笑顔を見せた。
昆野さんは「緊張したけど楽しかった」、青柳さんは「一生に一度の経験になった」。大役を終えた2人は「高校では甲子園を目指して頑張りたい」と声をそろえた。(石平道典)