(7月5日、第107回全国高校野球選手権熊本大会1回戦、熊本学園大付8―1天草工=8回コールド) 「勢いをつけたい。必…
(7月5日、第107回全国高校野球選手権熊本大会1回戦、熊本学園大付8―1天草工=8回コールド)
「勢いをつけたい。必ず打つ」。五回裏、天草工の吉岡奏志郎選手(3年)はそう誓い、打席へ。5球目、外角の変化球をたたくと、右中間への三塁打に。塁上でガッツポーズをした。
相手に先行を許す中、チームは四回まで三者凡退が続いていた。主将として、4番としての意地を込めた一打だった。加世田陽斗選手(3年)の犠飛で生還し、一矢を報いた。
長崎出身。同じ出身地の先輩や安田健吾監督を慕って入学した。「みんなが地元出身者と同じように接してくれた」と振り返る。
この日は苦しい展開だったが、大声で鼓舞し続けた仲間は、最後まで明るかった。試合後、「良い環境で野球ができた」と周囲への感謝を口にした後、赤い目で続けた。ノーシードから4強入りした昨年に続き、「強豪校を倒せる姿を見せたかった」。(伊藤隆太郎)