【NASCAR】第18戦 Quaker State 400(日本時間6月30日)/エコーパーク スピードウェイ【映像】2…

【NASCAR】第18戦 Quaker State 400(日本時間6月30日)/エコーパーク スピードウェイ

【映像】23台が絡む大クラッシュの瞬間

 全米で人気のストックカーレース、NASCAR(ナスカー)の第18戦がジョージア州で開催された。平均速度の高いこのオーバルトラックで今年最大級のクラッシュが発生し、ファンと関係者に衝撃を与えている。

 今回レースが開催されたエコーパーク・スピードウェイは、バンクの傾斜がきつく、平均速度が300km/hになることもあるコースであるため、必然的にクラッシュも多くなりがち。案の定、57周目に多重クラッシュ“ビッグワン”が発生すると、ステージ1はアンダーイエロー(追い越し禁止状態)のままフィニッシュとなった。しかしこの後、より規模の大きな正真正銘の“ビッグワン”が控えていた。69周目にステージ2がリスタートされると、ターン1、2を抜けてバックストレートに入った瞬間、中団以下にいたほぼすべてのマシンが絡む多重クラッシュが発生。実況の増田隆生氏も、思わず「ああっと…そして、またビッグワン! 何台巻き込まれたか」と叫んだ。

 白煙に包まれるなか、20台以上のマシンがコース上で停車、あるいはゆっくりと動いているようなカオス状態となり、コース上には追い越し禁止のイエローコーションが出されている(後にレース中断のレッドコーションに変更)。実況の増田氏が、巻き込まれたドライバーの名前を次々に挙げているが、それも間に合わないほどの台数だ。

 その後、リプレイ映像が連続して映し出されると、解説の古賀琢麻氏は、「デニー・ハムリンが前のクルマと当たったのがきっかけですね」。続けて、「路面温度が低いのでちょっと当たったくらいでリアが流れてしまうんです」、「全体的に加速が鈍ってぶつかってしまった」などと語り、日が落ちてきて冷えた路面にも要因があるという。

 また古賀氏は、「デニー・ハムリンより後のドライバーは、白い煙が上がって気がついたらクラッシュって感じです」と現役ドライバーならではのコメント。実況の増田氏がリプレイを見返しながら、「こうやってみると24号車ウイリアム・バイロンなんて逃げ場がないですもんね」と言うと、古賀氏は「ドライバーからすれば何もできないです」などと説明を続けた。

 やがて、レッドコーション期間が終わって再度イエローになると、レースはセーフティカーが先導しながら各マシンが走り始めた。増田氏によれば、「レッドフラッグの中断は5分ほどで、総勢23台が巻き込まれました」とのことで、40台が出走したマシンのうち、半分以上が巻き込まれた形になる。

 やがて増田氏が言葉を選びながら、「NASCARらしいレースになってきました」と語ると、現役ドライバーでもある古賀氏も、「ドライバーからしたら何度経験しても怖いんですけど、ファンは大盛り上がりですよ」とストックカーレースの華とも言える多重クラッシュについて思いを語っている。(ABEMA『NASCAR Groove』/(C)NASCAR)