蹴球放浪家・後藤健生は陸海空を行く。サッカー取材のために、時には船で海を渡ることもあるのだ。サムライブルーと若き女子日…
蹴球放浪家・後藤健生は陸海空を行く。サッカー取材のために、時には船で海を渡ることもあるのだ。サムライブルーと若き女子日本代表の「連戦」には、フェリーを使った。
■フェリーの上で嗜んだ「ビール」
6月もまだ中旬だというのに、連日のように最高気温35度以上の猛暑日に見舞われています。僕が住んでいる東京都練馬区は関東地方の中でも気温が高いことで有名な場所。「都心で34度」という予報のとき、練馬では間違いなく35度を超えています。
Jリーグもこれからいよいよ後半戦という時期ですが、昨年の夏と同様、猛暑や雷雨、豪雨の影響が心配です。
暑いときの楽しみの一つはビールですよね(またまた、アルコールの話で申し訳ありません)。先日のコラムでもご紹介しましたが、とくに日本で主流のピルスナー・タイプのビールはキンキンに冷やして喉越しを楽しむのに最適。つまり、完全に夏向きのビールです。
夏のビール……。部屋飲みもいいですが、屋外で素晴らしい景色を堪能しながらヤリたいものです。
そんなことを考えているうちに、昔、北海道の函館から青森までのフェリーの上で嗜んだビールを思い出しました。
時は2012年の8月のことでした。
■史上最強「日本代表」が被災地で
この年の6月には、アルベルト・ザッケローニ監督率いる日本代表がブラジル・ワールドカップ出場を目指し、アジア最終予選に突入。6月の2試合ではオマーンに3対0、ヨルダンに6対0とホーム2連勝という最高のスタートを切り、その後も順調に勝点を積み重ねた日本は、グループBの首位で予選突破を決めます。
本田圭佑や香川真司、遠藤保仁、長友佑都などがいた日本代表は「史上最強」と言われ、選手たちは「優勝が目標」と公言していました。
その6月の2試合を終えた日本代表は、8月15日には札幌ドームでベネズエラと親善試合(キリンチャレンジカップ)を行い、1対1の引き分けに終わりました。
直後の8月19日にはFIFA女子U-20ワールドカップが開幕しました。
前年の2011年の女子ワールドカップで日本代表(なでしこジャパン)が初優勝し、さらに2012年7~8月のロンドン・オリンピックでも女子サッカーは決勝に進出。アメリカには1対2で敗れたものの銀メダルを獲得した直後でした。
そのU-20ワールドカップ。開催国としてグループAに入った日本の初戦、メキシコ戦は前年の東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県利府町の宮城スタジアムで行われました。
■霧に包まれた「函館山」の夜景
さて、8月15日に札幌で試合を終えてから、宮城県(仙台)までどのように移動するのか……。
そこで、僕はフェリーで海峡を渡ることにしました。
札幌での観戦を終えた翌日に高速バスで函館に移動して2泊。北海道在住の30年来の友人と合流して函館観光を楽しみました(函館は初めてでした)。
有名な函館山の夜景を見に行ったのですが、霧に囲まれて夜景はほとんど見ることができませんでしたが、元町あたりの古い建築群はなかなか大いに楽しめました。そして、元町から港の方向に坂道を降りてきたら、いきなり目の前にバスクの旗を発見。期待もしていなかったバスク料理を堪能させていただきました。
そして、8月18日にフェリーで本州に向かいました。
約3時間半の船旅です。