今週で東京、阪神の開催が終了。これに伴って、ダート1400mという番組がしばらく組まれていないということもあり、例年…

 今週で東京、阪神の開催が終了。これに伴って、ダート1400mという番組がしばらく組まれていないということもあり、例年、この開催で1レース組まれている東京ダート1400mには頭数が集まる。昨年は16頭フルゲートで除外なしだったが、今年も除外はないかも知れないが、フルゲートに近い頭数にはなるだろう。

 特に2回小倉開催ではダートの新馬戦が1000mのみ。この時期にダートの新馬戦を組みにくいという現状はあると思うが、やはりダート向きの新馬も少なくないだけに、新馬戦だけでなく、未勝利戦も含めたダート番組の改良の余地は残されているといってよい。

【6月21日(土) 阪神芝1400m】

◆タイセイボーグ(牝、父インディチャンプ、母ヴィヤダーナ、栗東・松下武士厩舎)

 半兄ダノンメジャー(父ダイワメジャー)は都大路Sなど芝で6勝を挙げている。本馬は2023年ノーザンファームミックスセールにて、3700万円(税抜き)で落札されている。

 父は新種牡馬インディチャンプだが「距離はマイルあたりでも対応できそう」と松下武士調教師。6月12日にはレースで騎乗予定の田口貫太騎手が跨って、CWでの併せ馬。古馬1勝クラスを追走していたが、首尾よく前を捕まえて、3馬身ほど先着して見せた。時計は6F84.6秒と数字としては目立たない時計だったが、力強さを感じさせる走りで現状ではこの距離が向いているという印象がある。

【6月21日(土) 東京ダート1400m】

◆ウンナターシャ(牝、父パイロ、母インディアマントゥアナ、栗東・高柳大輔厩舎)

 半兄ジャンタルマンタル(父パレスマリス)は2歳時に朝日杯FS、3歳時にNHKマイルC、そして現4歳で安田記念を制して、3年連続マイルGIを制覇している。「ストライドが大きくて、きれいなフットワークなので、芝でも走ることができると思いますが、パイロ産駒なのでダートから」と高柳大輔調教師。

 6月5日のCWで古馬2勝クラスを追走する併せ馬で半馬身ほど遅れ、時計的には6F83.1秒、3F36.8秒、1F11.6秒なので、決して悪くないものの、もうワンパンチあればという感じ。先週の坂路では古馬1勝クラスを追走して楽に追いついており、時計は4F55.0秒でも動きの中身が評価できる。

【6月21日(土) 函館芝1200m(牝)】

◆トウカイマシェリ(牝、父ドレフォン、母トウカイミステリー、栗東・高柳大輔厩舎)

 母トウカイミステリー(父キングカメハメハ)は2011年の北九州記念で重賞を制覇。半兄にはダートで4勝を挙げたトウカイエトワール(父ヘニーヒューズ)がいる。

 5月28日の坂路では4F目11.6秒をマークしていて「いいスピードを持っている馬だと思っていましたが、追い切りでも動きましたね」と高柳大輔調教師。翌週の坂路でも4F目11.9秒。しかも2F24.3秒で終いがしっかりしている。函館競馬場へ移動してからも順調で、6月11日には函館Wでレースでも騎乗予定の鮫島克駿騎手が跨って追い切りを消化。坂路でもトラックでもしっかり動くことができている点に好感が持てる。

◆セレーノ(牝、父モーリス、母アングルティール、栗東・高橋亮厩舎)

 母系に2023年フラワーCを勝ったエミュー(父ハービンジャー)がいる血統。「うちはモーリス産駒の牝馬と相性がいいですよ」と高橋亮調教師が話すように、オープン馬のバウンシーステップ、メイショウホシアイがいる。

 5月28日の坂路での追い切りは古馬1勝クラスを追走して遅れたので、動きひと息かなと思ったが、レースでも騎乗予定の武豊騎手が跨った6月4日の坂路では3歳未勝利に先着。4F54.2秒、1F12.5秒を手応えよく動いている。

(取材・文:井内利彰)