カナダGPでF1通算100戦目を迎えた角田。(C)Getty Images 世間を驚かせる“更迭”は本人も覚悟している。…

カナダGPでF1通算100戦目を迎えた角田。(C)Getty Images
世間を驚かせる“更迭”は本人も覚悟している。
現地時間6月13日に行われたF1第10戦のカナダGPのフリー走行(FP)で、レッドブルの角田裕毅は、フリー走行2回目(1分12秒939)を15番手でフィニッシュ。トップタイムをマークしたメルセデスのジョージ・ラッセル(英国)と0.816秒と差を付けられる形となった。
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F1参戦100戦という節目である今GPで、角田は自身のキャリアを占う正念場ともなる。エースドライバーであるマックス・フェルスタッペンの仕様に合わせている特殊マシン『RB21』への適応に苦心する25歳は、第3戦の日本GPから消化した7戦で獲得ポイントが「7」と低迷。チームの顧問を務めるヘルムート・マルコ氏は「深刻なのは、ユウキがフリー走行ではマックスともコンマ1秒遅れ程度なのに、公式予選になるとその差が広がってしまうことだ」と苦言を呈されている。
一部メディアで姉妹チーム・レーシングブルズの新人アイザック・ハジャーとの交代、あるいは更迭が囁かれる状況下で求められるのは、結果。現地時間6月14日から始まる公式予選でのQ3進出はもちろん、決勝ではポイント獲得を果たす必要がある。
どれだけ『RB21』に対する適応が難しくとも安定したパフォーマンスとチームへの貢献が必須となる。そんな常勝軍団ゆえの事情を知る本人も“最悪の事態”を覚悟する。FP後に英衛星放送『Sky Sports』などのフラッシュインタビューに応じた角田は「自分のパフォーマンスを発揮できなければ、何が起こるかは分かってる。そして自分自身ことは自分が一番分かっている」と強調した。
「でも、まずはどうなるか見てみよう。力強く復活する自信はある。みんなはセカンドシートやレッドブルについて話すのが好きみたいだけど、それが現実なんだ」
ふたたび鮮烈な走りを見せる自信が「ある」と断言した角田は、「実際にコースで走ってみることで、理解しやすくなる。いつかは必ずマシンも理解できるはずですし、進歩もしている。だから、まだあまり焦ってはいない」と吐露。更迭を覚悟しながらも、レッドブルで戦い抜く強い意志を示した。
果たして、角田は常勝軍団での生き残りに向け、食い下がれるか。真価の問われるカナダGPとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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