富田は11得点をマークして勝利に貢献した(C)Volleyball World バレーボールの男子日本代表は現地6月11…

富田は11得点をマークして勝利に貢献した(C)Volleyball World
バレーボールの男子日本代表は現地6月11日、中国で行われている「FIVBネーションズリーグ」予選ラウンド第1週の中国戦に臨み、3-0(25-23、25-14、25-22)で勝利。2028年のロサンゼルス五輪に向けた新体制による初陣を白星で飾った。そのチームでキャプテンを務めているのがアウトサイドヒッターの富田将馬(大阪ブルテオン)である。
すでに今年度の代表キャプテンは全登録メンバーが発表されたときから石川祐希(ペルージャ/イタリア)で決定しているが、石川はまだ代表活動に合流しておらず。そのため“代理キャプテン”として富田に白羽の矢が立った。
その富田は胸番号の下にキャプテンを示す1本ラインを携えて中国戦で先発出場を果たすと、オポジットの宮浦健人(ウルフドッグス名古屋)のチーム最多13得点に続いて11得点をマーク。またサーブレシーブに関しても、チームで最も多く相手のサーブを受けながら高い返球率を残して攻撃の起点になる。「(開催地の)中国に入ってから自分の感覚はとてもよくて、強いサーブを返すことができていたので自信を持って試合に臨めました」とストロングポイントを初戦から発揮してみせた。
かねてからサーブレシーブ力の高さには定評があり、国内リーグでも2021-22シーズンにはレシーブ賞を獲得。この2024-25大同生命SVリーグでは諸外国から強力なビッグサーバーが続々と来日したなかでも、富田は「ディフェンスには自信を持っているので。『ここでやってやる!!』という気持ちのほうが強かったです」と言ってのけた。
もっとも、“ここで”とは2024-25クラブシーズンに置かれた自身の立場を示している。それまで4シーズンを過ごした東レアローズ静岡を退団し、大阪Bへ移籍。そこでは分厚い選手層の中で、リリーフサーバーとして起用されることが少なくなかった。「それまではずっとスタメンでたくさんサーブを受けていたわけですが、控えになると受ける本数自体が減ってしまうので。いざ試合では、どうしても打球をより強く感じてしまう部分はありました」と明かすように、リリーフサーバーとしての難しさを体感したシーズンとなったのである。
それでも移籍という決断を決して悔やむことはなかった。「強いサーブを受けるイメージは練習から常に持っていました。それにブルテオンには永野健コーチがいますから。アドバイスをもらうことで自分の技術を落とすことなく過ごせた」と富田。聞くに、強いサーブを受ける際にはその威力に対して身体の重心がどうしても高くなってしまうところを、できるだけ前傾姿勢を保つことが大事だと、日本代表でもプレーした永野コーチからは指南されたとか。2024-25シーズンを終えた際に富田は「速いサーブに対するキープ力は上がったと感じています」と充実感をみなぎらせていた。
成長した手応えともに臨む代表シーズン。昨年はパリ五輪の本登録12名入りは叶わず、「交代選手」として帯同する憂き目にあった。その分、この2028年ロサンゼルス五輪に向けた代表活動には並々ならぬ思いを抱いている。
「ここでやってやる!!」――。
その思いを、この日の丸のステージでも。
[文:坂口功将]
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