昨年オフのインタビューではポツリ「日本に戻りたい」 元DeNAで、マリナーズとマイナー契約した乙坂智外野手は13日(日本時間14日)に3Aタコマに正式にロースターに登録された。2021年のDeNA戦力外後、メジャーを夢見て海外球団を転々とし…

昨年オフのインタビューではポツリ「日本に戻りたい」

 元DeNAで、マリナーズとマイナー契約した乙坂智外野手は13日(日本時間14日)に3Aタコマに正式にロースターに登録された。2021年のDeNA戦力外後、メジャーを夢見て海外球団を転々とし、31歳の外野手として異例の契約を勝ち取った。乙坂はFull-Countの取材に「やっとスタートラインに立ちました」と心境を明かした。

 今年3月に2年ぶりに復帰した「ヨーク・レボリューション」では「1番・中堅」として5月4日(同5日)時点で9試合に出場し37打数15安打(6二塁打)の打率.405、1本塁打、8打点。出塁率5割の4盗塁と存在感を示し、マリナーズから声がかかった。

「だいぶ遠回りしましたけど、やっとスタートラインに立ちました。これまで携わってくださった方々に感謝しかありません。何が何でもメジャーにあがって恩返ししたいです」

 2021年オフに10年間プレーしたDeNAから戦力外通告を受けた。2022年はメキシコで3球団、ベネズエラと渡り歩き、2023年は今季プレーしたヨーク・レボリューションに。昨年はメキシカンリーグ「レオネス・デ・ユカタン」(米名称ユカタン・ライオンズ)で好成績を残していた。

 憧れのメジャーを目指し、待遇や衛生面など過酷な環境で約3年間を過ごした。所属球団が決まっていない状況で行った昨年12月のインタビューでは「日本に戻りたい気持ちもある。自分を必要として声をかけてくれる球団があれば、NPB球団にもこだわらない」と“弱音”を漏らしたこともあった。

 それでも最終的には険しい道を選択。海を渡って地道にプレーを続け、マイナー契約ながらもメジャー球団から誘いを受けた。「0.1%くらいしか可能性はなかった。そこに賭けていました」。31歳の野手としては異例ともいえるオファー。この先も厳しい挑戦になることはわかっている。

「自分が歩んできた道を考えると『アイツがいけるなら俺も……』と、いろんな人に勇気を与えることができると思います」。移籍合意後、タコマに合流した9日(同10日)にはさっそく藤浪晋太郎投手とも再会を果たした。夢への“挑戦権”を掴み取った乙坂が、藤浪とともに最高峰を目指す。(Full-Count編集部)