負けたら敗退の状況で快投、「なぜビッグゲームでチームに勝ちを持ってこられるのか?」 ヤンキースの田中将大投手が8日(日本…
負けたら敗退の状況で快投、「なぜビッグゲームでチームに勝ちを持ってこられるのか?」
ヤンキースの田中将大投手が8日(日本時間9日)、本拠地ヤンキースタジアムでの地区シリーズ第3戦で圧巻の快投を見せ、チームを1-0の勝利に導いた。敵地で2連敗を喫し、負けたら敗退という状況でリーグ最高勝率の強敵インディアンス相手に7回3安打無失点7奪三振1四球。ピンチを脱した際には雄叫びをあげるなど気持ちの入った投球となったが、一方でゲームを組み立てる冷静さも光った。日本時代から、舞台が大きくなるほど力を発揮してきた右腕は、その理由について「“おいしい”と思っているから」と明かしている。
熱く、冷静に。前日会見で「いつも通り」投げることが大事だと繰り返した田中は、まさにそれを実践した。初めてのピンチとなったのは4回。1死からキプニスに三塁打を浴びると、3番ラミレス、4番ブルースから「何とか三振を取りたい」とスプリットを多投。この試合、抜群の切れ味を誇った“宝刀”で、見事に2者連続空振り三振に仕留めた。その瞬間、大きく吠えた。
ピンチでも冷静に投球を組み立て、結果を残せば感情を爆発させる。試合前にウォーミングアップのためにグラウンドに現れただけで、ヤンキースタジアムの観衆から大きな拍手を浴び、試合が始まれば2ストライクになるたびにファンが総立ちになる、ポストシーズンの独特の雰囲気。そんな中で、田中はいつもの田中だった。
なぜ、日本時代からビッグゲームでチームに勝ちを持ってこられるのか。試合後の記者会見では、米メディアからこんな質問が飛んだ。すると、田中は笑みを浮かべながら話した。
「どうでしょう。そういう状況が日本語的には“おいしい”というか、“おいしい”場面だと思っているので。ネガティブな感情というよりは、ポジティブに『こういう状況で勝つからこそ』というのはありますね」
これこそが田中将大の凄さだろう。
「自分自身を褒めたいと思いますけども、それでもまだ1試合なので」
「(2連敗で)プレッシャーはもちろんありました。ありましたけど、でも、そういう状況でやることがプレーヤーとしての喜びでもあると思うので、ここで勝つことで流れを変えられるんじゃないかっていう風にも思っていたので、ネガティブに捉えないで、ポジティブに捉えてマウンドに上がることはできました」
「緊張はやっぱりありました。で、こういうときこそ冷静にいつもの自分通りで行くことが大事だというのは思いながらも、実際に試合が近づくと、球場の雰囲気も独特で、それでもやっぱり力が入るところはありました。でも、2015年のワイルドカードゲームの経験であったり、今シーズンでのアップダウンがあった中でメンタルをコントロールするというところでも鍛えられたと思います。このポストシーズンが始まってからの何試合かで自分は投げないで見ていたので、ピッチャーがミスするのはどういう時なのかっていうのは見ていたつもりなので、自分はああはならないようにという気持ちはありました」
誰もが重圧を感じる状況で「おいしい」と思える精神力。そして、大一番でエースとしての責任を背負っても崩れない気持ちの強さ。「こういうゲームに投げて、勝つために、僕はここに来たと思っているので。前回(2015年)、僕はプレーオフで、ワイルドカードゲームで投げた時は負けてしまいましたけど、今回はこういう状況の中でこういうゲームに勝てたっていうことで、こっちに来てから1番大きな勝利だったんじゃないかなと思ってます」。試合後には風格を漂わせて振り返った。ただ、まだまだ満足はしていない。
「今日に限ってはもちろん良かったと思いますし、自分自身を褒めたいと思いますけども、それでもまだ1試合なので。1回やったからどうなんだっていうところはあるので、こういう投球を繰り返しできるようにしっかり準備して投げていくだけですね」
強力インディアンス打線を沈黙させた快投劇。第2戦ではジラルディ監督のまずい采配などで5点差を逆転され、窮地に追い込まれたヤンキースだったが、エースの快投で雰囲気はガラリと変わった。逆転突破が見えてきた。(Full-Count編集部)