卓球男子日本代表の岸川聖也監督、女子の中沢鋭監督が12日、シングルスのW杯(14~20日、中国・マカオ)に向けて成田空港から出国した。 ともに4月1日付けで監督に就任し、新体制がスタートしたばかり。今大会は5月の世界選手権個人戦(ドーハ)…
卓球男子日本代表の岸川聖也監督、女子の中沢鋭監督が12日、シングルスのW杯(14~20日、中国・マカオ)に向けて成田空港から出国した。
ともに4月1日付けで監督に就任し、新体制がスタートしたばかり。今大会は5月の世界選手権個人戦(ドーハ)を見据え、中沢監督は「各選手のコンディションをチェックして課題を抽出し、海外のライバル選手の情報も収集して、次の世界選手権で選手たちを活躍させたい」。岸川監督は「W杯は大きな大会。ここでいい結果を出して、いい流れでカタールに行けたら」と位置付けた。
今月9日(日本時間10日)には、国際オリンピック委員会(IOC)が28年ロサンゼルス五輪の実施種目を決めた。卓球は男女の団体がなくなり、新たに混合団体が採用。男女のダブルスの6大会ぶりの復活も決まった。混合団体は23年からW杯が始まった流れもあり、岸川監督は「(実施種目に)なりそうな感じは少ししていた」と冷静に受け止めた。一方で男子団体は昨夏のパリ五輪は4位で惜しくもメダルを逃した。「男子チームは『団体でメダルをもう1回』という目標を僕自身もそうですし、選手も持っていたと思う。そこが次回はないということで、少し寂しい気持ちはある」とも明かした。
男女混合となることで勢力図も変化しそうだ。男子はパリ五輪でメダルを獲得したフランス、スウェーデンなど欧州勢のレベルが高いが、男女ともに有力選手がそろうのは中国、日本、韓国、台湾など限られる。岸川監督は「日本にとってもメダルの可能性は高いと思う」と位置付けた。一方で中沢監督は4大会連続でメダルを獲得している女子の目線から「男子はフランスやドイツだったり、欧州が強い。これからライバルが多くなる」と表情を引き締めた。
男女のダブルスも追加されるなど実施種目は大きく変わったが、岸川監督はシングルスの強化を男子の最優先課題に挙げた。「代表の選手数(従来は1か国・地域で最大3人)は変わらないと思うので、その中でダブルスだけ得意な2人を入れるというのもなかなか難しい。特に男子は(3位の張本)智和以外の世界ランキングをもっと上げていきたい。そういう選手たちの中でダブルスも強化していくのが一番いいと思う」と語った。
女子も同様だが、中沢監督は混合団体を見据えて、男女合同での強化の場を設けたい考えも明かした。「なるべく同じ時期に合宿をして、一緒にしっかり強化していきたい。男子と力を合わせてメダルを取れるように頑張りたい」。今大会中にも岸川監督と話し合い、今後の強化計画を練っていく。