◆明治安田J1リーグ▽第8節 C大阪2―1岡山(2日・ヨドコウ) 【関西サッカー担当・森口登生】あわや同点だろうがなんだろうが「勝ち切った」事実に大きな意味がある勝利だった。5得点の大勝を収めた開幕節のG大阪戦(パナスタ)から7試合ぶりに挙…
◆明治安田J1リーグ▽第8節 C大阪2―1岡山(2日・ヨドコウ)
【関西サッカー担当・森口登生】あわや同点だろうがなんだろうが「勝ち切った」事実に大きな意味がある勝利だった。5得点の大勝を収めた開幕節のG大阪戦(パナスタ)から7試合ぶりに挙げた白星は、今季初の本拠地戦勝利。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、MF北野颯太とFWルーカスフェルナンデスは全てを出し切ったようにピッチ上にしゃがみ込んだ。「長かったなぁ…って。自分自身への悔しさももちろんありながら。今日はファン・サポータのみなさんとホームで勝ちを分かち合えたっていうのがそのシーンに出たと思います」(北野)
「ホームのサポーターの前で勝てて本当に良かった。今日を含めて勝つということがこんなに難しいのかというくらい。チーム全体がよくやったと思う」(ルーカス)
前半3分にFWチアゴアンドラーデが左足でニアサイドを撃ち抜いて得点を挙げた。2分で得点した前節と同じく試合開始早々の先取点。同44分に同点に追いつかれたが、アディショナルタイムにペナルティーエリア付近でFKを獲得すると右サイドからキッカーのFWルーカスフェルナンデスがゴール前の密集ではなく空いたエリア内手前にパスを送り、フリーだったFWラファエルハットンがダイレクトで右足を振った。「目で合図してハットンも理解してくれた。本当にあの瞬間に意思疎通ができてうまくいった」(ルーカス)、「大きなスペースが見えて、ルーカスに指をさして『ここに出してくれ』と。彼も見えていたと思う」(ハットン)と瞬時のひらめき体現し、勝ち越しに成功。互いにシュート8本を放つ激しい攻防が続いた前半で、コンビネーション抜群のブラジル人FW3人が得点に絡んだ。
後半のアディショナルタイムには、岡山のFW一美和成にゴール前でボールを受けられ、守備陣の間を通したシュートでゴールネットを揺らされた。後半38分に同点弾を決められた前節、ホームの浦和戦(1△1)が頭によぎったが、VARの結果オフサイドの判定。得点は取り消しとなり、そのまま勝利した。北野は「『頼むから…』って祈るしかなかったですね。(勝利で)乗っていけると思います」と笑顔。ハットンも「ここまでハードワークをしてきて1週間準備をしても結果が出ない。そういう試合が多くなっていた。いい入りはするし、点は入るけれどもどうしても追いつかれてしまう。『またこれか』と思ったが、ホッとしている」とようやくつかんだ今季2勝目に胸をなで下ろしていた。
今季カップ戦を含めた9試合で無失点試合はなし。アーサー・パパス監督も「失点しないことも大事だが、もっと追求していくことを考えるとボールをしっかりと動かしたい」と話した通り、修正ポイントはもちろんある。それでもこの1勝がチームにもたらす意味は心身ともにどれほど大きいものか。4月はリーグ戦を6試合を行う中で、次戦は6日の広島戦(Eピース)だ。シーズンにおいてもターニングポイントだったと言える勝利にするために、まずは今季初の連勝を成し遂げる。