今週は阪神競馬場で、第69回大阪杯(GI、芝2000m)が行われる。今年は前年の覇者・べラジオオペラをはじめGI馬4頭が集結した。ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬15頭の全頭診断を行う。◆【大阪杯2025予想/穴ライズ】「明らかに過小…
今週は阪神競馬場で、第69回大阪杯(GI、芝2000m)が行われる。今年は前年の覇者・べラジオオペラをはじめGI馬4頭が集結した。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬15頭の全頭診断を行う。
◆【大阪杯2025予想/穴ライズ】「明らかに過小評価」と言える下馬評 鞍上も急成長を認めた単勝オッズ“2桁”確定が高配当の使者
■大阪杯2025 出走予定馬全頭診断
・アルナシーム
重賞での馬券内はハンデ戦のGIIIに限定。ここでは分が悪いだろう。
・エコロヴァルツ
完璧な立ち回りと言えた前走中山記念だが、同世代かつ斤量1キロ差があったシックスペンスの後塵を拝する結果に。距離延長+GIのメンバー相手に上位進出は難しい注文と言えそうだ。
・カラテ
フタ桁着順が続く現状。厳しい。
・コスモキュランダ
強引なマクリにも思えた前走AJCC。あの競馬で僅差3着は無尽蔵レベルのスタミナであることの証明と言えるだろう。右回りの芝2200m以下重賞は【1.2.1.1】馬券内率80%。レコード決着の皐月賞に冬のタフな芝のAJCCなど幅広い好走歴があり、軽くは扱えない。
・シックスペンス
毎日王冠→中山記念とGII連勝中の馬。立ち回りの上手さは小回りの阪神芝2000m向きにも思えるが、GI昇格後の大阪杯において、前走中山芝を勝利した馬は【0.0.1.10】。このなかにはブラストワンピース、ダノンキングリー、エフフォーリアと3頭の1番人気馬がいたものの、いずれも連対外に敗れていた。今回は自身初の関西圏に初距離、乗り替わりと不安要素が山積み。押さえ程度が精いっぱいか。
・ジャスティンパレス
昨年は一度も馬券内に絡むことができず。それでもGIで掲示板内4度は立派だが、やはり適性は長い距離にあるというのが私の見解だ。4歳で制した天皇賞・春のパフォーマンスから、向こう3年は春の盾における軸が決まったと思った馬。ここでは評価を落とし、次走出走するようなら天皇賞・春で狙いたい。
・ステレンボッシュ
大外から一気のマクリを敢行した前走香港ヴァーズ。結果は3着も、海外勢相手に見せ場たっぷりのレース内容だった。あのスタイルなら小回りの阪神芝2000mも対応可能だろう。GI昇格後の大阪杯において、前走馬券内から臨む4歳牝馬は【1.2.0.1】。阪神芝重賞で【3.1.0.1】を誇るJ.モレイラ騎乗も含め、ノーマークにはできない。
・ソールオリエンス
古馬になって以降の馬券内は、特殊なコンディションにより超のつく外差し馬場での施行となった宝塚記念に限定。展開不向きとはいえ前走京都記念は8歳馬に先着を許しており、一変を望むのは酷に映る。
・デシエルト
重馬場で1000m通過58秒2という大暴走となった前走金鯱賞。惨敗も覚悟したところ、勝ち馬と0秒4差の4着に踏みとどまった結果には驚かされた。右回りの芝2000mは3戦2勝と好相性。「この馬を追いかけると共倒れになるのでは……」との心理が働く可能性がある今回、印を回しておきたい1頭だ。
・べラジオオペラ
昨年の本レース勝ち馬。当時はお世辞にもハイレベルなメンバーとは言えなかったが、その後は宝塚記念3着→天皇賞・秋6着→有馬記念4着と一線級の相手に大負けせず走っており、持っている能力は確かだ。関西圏は【3.1.1.0】と安定。絶好の条件替わりでの巻き返しを警戒する。
・ホウオウビスケッツ
前走金鯱賞は、大逃げを敢行したデシエルトから離れた番手を追走。実質単騎逃げという位置取りからストレスなく運べたことで変わり身に成功した。あの展開なら勝ち切ってほしかったのが本音だが、昨年は直線の短い右回りで2勝と小回り適性は十分。何らかの印は必要か。
・ボルドグフーシュ
間隔を詰めたローテーションでこそ真価を発揮するタイプ。中2カ月以上の休み明けはマイナス材料で、ここは天皇賞・春に向けた叩き台が濃厚か。
・ヨーホーレイク
キャリア終盤にさしかかってもおかしくない年齢だが、丸2年近くレースから離れていた時期もあり馬はまだまだフレッシュ。昨年は右回りの芝2000m重賞勝ちがあり、デビュー後の2連勝はいずれも道悪とタフな馬場も問題なし。穴妙味を感じる1頭だ。
・ラヴェル
稍重-重【0.0.0.3】が示すように、タフな馬場が合わないタイプ。現時点で馬場悪化が予想される日曜阪神は不適条件と言わざるを得ない。
・ロードデルレイ
前走日経新春杯で待望の重賞初制覇を決めた馬。芝2200mで2分9秒8は優秀と言えるし、芝2000mは【3.2.0.0】とまったく大崩れがない。とはいえ一線級のメンバー、すなわちGI未経験である点、自分から勝負にいけない脚質である点を踏まえると連下候補までか。
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UMAJIN.netより一部編集・転載(2025年4月3日 18:00公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。