■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目(30日、第97回選抜高校野球大会決勝 横浜11―4智弁和歌山) 勝負のポイントはやはり、六回の攻防です。横浜は継投でピンチを切り抜けましたが、智弁和歌山は疲れていた渡辺颯人投手を代えることができませんでした。…

■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

(30日、第97回選抜高校野球大会決勝 横浜11―4智弁和歌山)

 勝負のポイントはやはり、六回の攻防です。横浜は継投でピンチを切り抜けましたが、智弁和歌山は疲れていた渡辺颯人投手を代えることができませんでした。

 六回無死一、二塁のピンチ。いい当たりをされましたが遊ゴロ併殺打で2死三塁となった。しかし、次打者に死球、中前適時打。ここで継投する手もあったと思いますが、渡辺投手に託すしかなかったのでしょう。

 横浜は織田翔希投手、奥村頼人投手以外にも投手がいた。層の厚さが違いました。

 でも、智弁はようやったと思います。ここ数年、甲子園で初戦敗退が続きましたが、反省を生かしました。打線はセンター返しを心がけ、バントも決めていた。ほめてやらなあかんと思います。

 あとは渡辺投手に続く投手を2、3人育てられるか。それができれば夏も全国の上位で勝負できるはずです。

 表彰式。優勝メダルのリボンは青色、準優勝は赤色です。これが夏は反対になって、優勝が赤いリボンになるんです。準優勝した2000年春、選手たちに言いました。「夏も同じ赤いリボンでええんやで」。その夏、見事に全国制覇してくれました。智弁にはやっぱり赤が似合います。(智弁和歌山・前監督)