「オープン戦、オリックス2-1阪神」(23日、京セラドーム大阪) 阪神は23日、オープン戦の全日程を終え、3勝5敗4分けの10位タイだった。今季から指揮を執る藤川球児監督(44)は「いい準備ができた。いいスタートが切れそう」と収穫を強調。…
「オープン戦、オリックス2-1阪神」(23日、京セラドーム大阪)
阪神は23日、オープン戦の全日程を終え、3勝5敗4分けの10位タイだった。今季から指揮を執る藤川球児監督(44)は「いい準備ができた。いいスタートが切れそう」と収穫を強調。主力選手に負傷者もなく、V奪還へ万全の態勢が整った。公式戦はセ、パ両リーグとも28日に開幕する。
シーズン開幕へ、準備は整った。オープン戦最終戦は京セラドームに駆けつけた虎党へ勝利を届けられず、悔しい黒星フィニッシュ。それでも藤川監督は「選手たちのコンディションもよく、いい準備ができた」と晴れやかな表情で総括した。
「まずはコンディション。モチベーションを含めて、課題も出たというところで、選手のメンタルを整えながら、開幕日を迎えるという意味では、順調なことばかりではなく、不安なミスもありながら。非常にいい準備期間だったと思います」
試合後の会見で指揮官自ら指摘したように攻守にミスは出た。初回は中川の左中間二塁打に中継ミスが絡みピンチ拡大。0-1の五回は1死一、三塁からゴロをさばいた佐藤輝が本塁へ悪送球。いずれも失点に結びついてしまった。先発・門別も前日の富田に続いてバント失敗。初めて開幕ローテをつかんだ2人の課題が浮き彫りになった。
それでも「今はシーズンではない。いろんなことを1年間乗り越えながら」と藤川監督。それより、人工芝のドーム球場での試合が続いた中、レギュラー陣に故障者が出なかったことが尊い。「いいスタートが切れそうだなと。何とかベストメンバーで開幕日を迎えられる」と声を弾ませた。
戦力の底上げも大きな収穫だ。高寺がユーティリティープレーヤーとして台頭。1軍の経験を積ませるため、栄枝も我慢強く起用した。投手陣では、西勇、大竹ら実績組が出遅れる中、富田、門別がローテ入り。中継ぎ陣でも、育成ドラフト1位・工藤(四国ILp徳島)が剛速球でブルペンに新風を吹き込んだ。頼もしい新戦力の出現に、藤川監督もニンマリだ。
「どこかで淘汰(とうた)されて、経験がある選手に切り替わるかもしれないけど。素晴らしい取り組みだったんじゃないですかね。初めての開幕1軍の選手たちには」
オープン戦は3勝5敗4分けの10位タイ。カブス、ドジャースとのプレシーズンゲームなど貴重な経験も積み、チームの成長も感じている。
「面白いチーム、アグレッシブなチーム。締めるところは締まっていくような、チームになっていくと思いますから。期待して見てもらいたい」
藤川監督は目を輝かせる。就任1年目。長いペナントレースを戦い抜く覚悟はできている。「3・28」が待ち遠しい。