「選抜高校野球・2回戦、花巻東6-3二松学舎大付」(23日、甲子園球場) 1回戦1試合と2回戦2試合が行われ、ドジャース・大谷翔平の母校の花巻東(岩手)が6-3でカブス・鈴木誠也の母校の二松学舎大付(東京)を下して2018年以来7年ぶりの…

 「選抜高校野球・2回戦、花巻東6-3二松学舎大付」(23日、甲子園球場)

 1回戦1試合と2回戦2試合が行われ、ドジャース・大谷翔平の母校の花巻東(岩手)が6-3でカブス・鈴木誠也の母校の二松学舎大付(東京)を下して2018年以来7年ぶりの8強入りを決めた。巨人・古城茂幸内野守備走塁コーチの次男・大翔内野手(2年)が先制犠飛を放つなど躍動。健大高崎(群馬)は敦賀気比(福井)を4-3で下し、最速158キロ右腕・石垣元気投手(3年)が左脇腹負傷から復帰した。東海大札幌(北海道)は7-6で日本航空石川を破り、2回戦に進出した。

 復帰戦で“大谷ばり”のフルスイングを繰り出し、花巻東・古城が先制点をもたらした。三回1死二、三塁でボールゾーンの高め直球をかち上げるように強振し、左犠飛をマーク。雄たけびを上げて喜びをあらわにした。

 「ありがたいことに4番を打たせていただけたので、とにかくフルスイングを心がけました」。右上腕部の肉離れで初戦を欠場。普段の定位置は三塁だが、送球の負担を減らすべく試合で初となる一塁で先発した。今大会初打席となった二回先頭でいきなり中前打。開幕前はスイング時も痛みが残り、「まだ強いボールは投げられない」と万全ではないながらも主砲の役割を果たした。

 1年春からドジャース・大谷翔平、エンゼルス・菊池雄星がつけた出世番号「17」を付けてベンチ入り。昨夏甲子園でも2安打を記録するなど入学直後から主軸を担ってきた。一転、故障後はベンチメンバーとしての役割を全う。「自分は本当に支えられていると再確認できた。このチームのために全力を尽くしたい」と控えの立場を経験し、フォア・ザ・チームの精神を胸に刻んだ。

 巨人・古城内野守備走塁コーチの次男。大会中に連絡はないが、「雰囲気(と戦う)でなく相手ピッチャーとの対戦に集中すること」の教えを胸に初の春の聖地で躍動した。今年から木製バットを使用。「金属よりも手応えがあった」とポテンシャルの高さをのぞかせ、乾いた快音を響かせた。

 MLB開幕戦で先輩の大谷率いるドジャースがカブスに2連勝し、花巻東もカブス・鈴木誠也の母校・二松学舎大付に勝利した。「僕もプロでプレーしたい」と大谷先輩に憧れる古城が、聖地でチームをけん引していく。

 ◆古城 大翔(ふるき・だいと)2008年6月4日生まれ、16歳。横浜市出身。182センチ、90キロ。内野手。右投げ右打ち。小学1年で山田バッファローズで野球を始め、早渕中では都筑中央ボーイズに所属。花巻東では1年春から背番号「17」でベンチ入り。50メートル6秒6、遠投100メートル。