福田師王(20)がやってくれた! 高校卒業後すぐに、ドイツ1部ボルシアメンヘングラッドバッハ(以降、ボルシアMG)に加…

 福田師王(20)がやってくれた! 高校卒業後すぐに、ドイツ1部ボルシアメンヘングラッドバッハ(以降、ボルシアMG)に加入。昨年1月にトップチーム入りを果たすも、出場機会に恵まれているとは言えなかった。
 だが、その数少ないチャンス、2024-2025シーズン2回目の出場となるウォルフスブルク戦で、ドイツ1部で待望の初ゴール。20歳9か月6日でのブンデスリーガ得点は、宇佐美貴史(ホッフェンハイム)の20歳4か月10日には届かなかったが、香川真司(ドルトムント)の21歳5か月25日を抜いて、日本人として2番目の年少記録となった。
 現在、ドイツ1部での2点目が期待されるサッカー日本代表の「ラストピース」、福田師王の連載4回目は、自身も得点王に輝いた高校サッカー選手権など、大好きな「冬」にまつわる話。ドイツでも楽しんだようですよ!

■「マーケットにリフトでビューン」


 皆さん、こんにちは。福田師王です。唐突ですけど僕、冬が好きなんです。というわけで、第4回のテーマは冬です。クリスマスも好きなんです。街がきれいになっていくじゃないですか? 
 ドイツに住むようになって、クリスマスマーケット(冬のドイツの風物詩として定着しているクリスマス市)って、本当にいいなと思いますね。この冬も1回、(板倉)コウくんと行ったんです。リフト(ドイツの公共電動キックボード)でビューンって(笑)。楽しかったですよ。何か食べたり飲んだりできるわけじゃないので、行って見るだけなんですけどね。
 あの雰囲気が大好きです。でも昨年12月20日には、ドイツのマグデブルクという街で、クリスマスマーケットに車が突っ込んで5人が死亡するという痛ましい事件がありました。人々が楽しんでいる場所に…腹立たしくて悲しかったです。
 

■「涙も出なかったですね」

 ドイツに来る前の高校時代、クリスマスといえば、高校選手権のイメージしかないです。前回、イングランド遠征の話もしましたけど、ぼくは遠征が好きなタイプなので。いろんなところに行って、ごはんもいろいろ食べたりできるし、楽しいんですよね。
 クリスマスではないけれど、すごく記憶にある年越しがあります。高校2年のとき、選手権1回戦で負けちゃったんですよね(2021年12月31日、神村学園は帝京長岡に2−3で敗れた。福田は44分に1得点を挙げている)。
 試合が等々力競技場であったので、横浜に宿泊して。もう負けてしまったので、何も気にせずにホテルで新年を迎えました。紅白歌合戦を流しながら、みんなでワイワイして、歌ったり、ゲームをしたり、カウントダウンをしたり、牛丼を食べたり。先生が買ってきてくれた、ドーナツも食べました。すごく楽しかったですね。

 選手権で一番、思い出に残っているのは高校3年生のときですね。優勝するつもりで臨んで、準決勝で岡山学芸館に負けてしまった。自分は1点決めましたけど、試合は3−3でPK戦になって、そのPKを外しました。
 あのとき周りは号泣していた記憶はあるんですけど、自分の精神状態は“無”でした。申し訳ない気持ちも強かったですし、もっと頑張らなくちゃとか、いろいろ思う中、あ~自分が最後PK外したから負けたなって。なんて言うんだろ、“無”としか言えないというか。涙も出なかったですね。悔いは残っています。やっぱり悔しかったです。
 新連載(4)後編に続く。(構成/了戒美子)

ふくだ・しおうプロフィール 2004年4月8日、鹿児島県生まれ。178センチ、73キロ。鹿児島県鹿屋市の高山FCから名門・神村学園中等部に進学。神村学園高等部に進学し、高校サッカー選手権では3年連続で優秀選手に選出。3年時には得点王に輝いて、卒業後、ドイツ1部ブンデスリーガのボルシアMGへ加入。U-19チームを経て2023年夏にセカンドチーム(2023-2024シーズン21試合出場7得点)へ。2024年1月にトップチームに昇格。2025年1月15日、ウォルフスブルク戦に後半25分から出場すると、同44分に得点。日本選手では歴代2位の年少記録となるブンデスリーガ初ゴールを決めた。2023年5月のU-20W杯には、全3試合に出場。

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