育成左腕、伊藤稜の飛躍も期待されている(C)産経新聞社 新生藤川阪神がピリっとしたムードに包まれた。 16日の広島との練習試合(バイトするならエントリー宜野座スタジアム)に0-11の完封負け。この時期とはいえ開幕カードで当たる広島相手に大量…
育成左腕、伊藤稜の飛躍も期待されている(C)産経新聞社
新生藤川阪神がピリっとしたムードに包まれた。
16日の広島との練習試合(バイトするならエントリー宜野座スタジアム)に0-11の完封負け。この時期とはいえ開幕カードで当たる広島相手に大量失点したとあって、試合後は首脳陣を集めて緊急ミーティングを行ったとされる。
ただ敗戦の中でも光るものを見せたのは育成ドラフト1位の工藤泰成だ。8回に登板すると、いきなり158キロを計測するなど、周囲の度肝を抜いた。ほかにも150キロ超え連発と潜在能力の高さを示した。
投手王国とされるチームも昨季開幕投手を務めた青柳晃洋が今季はメジャー挑戦で抜け、先発、リリーフともに新たな力の台頭も求められている。
球界では早くも阪神の若手投手の争いを考察する声があがっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は16日に自身のYouTubeチャンネルに「【逸材発掘】阪神に現れた支配下に近い左腕がエグすぎた…」と題した動画を更新。今季の阪神投手陣に関して独自の見解を語っている。
動画内では9日に宜野座で行われた紅白戦で5回にリリーフとして登板、最速154キロを計上するなど、猛アピールした育成の伊藤稜をピックアップ。左腕として155キロ近くを出すのは異例とあって、注目が高まっている。
高木氏も伊藤稜に関して「能力はすごいものがある」として、「肩が治ったらもっと速くなる」と太鼓判。
伊藤稜は中京大中京高から中京大を経て、21年育成ドラフト1位入団。左肩の痛みを抱えながら入団したことで1年目のオフに手術を敢行。つらいリハビリを乗り越え、24年はウエスタンリーグ7試合で0勝1敗、防御率20・25。現在はフォーム改造などに取り組み、球速も段々と出始めている段階とされる。
その上で高木氏はチーム事情を鑑みて、「左が不足していることを考えると、伊藤陵出てくると大きいよな」とロマン腕の台頭を期待する場面もあった。
昨季のブルペンでは救援左腕の桐敷拓馬が70試合に登板、43HP、防御率1.79とフル回転となった。左腕リリーバーは勝負どころのキーマンとなるため、何人いてもいいとされる。
また伊藤陵といえば、入団会見では愛知の英雄、名球会入りも果たし、歴代最高407セーブをマークした鉄腕、元中日の岩瀬仁紀氏を憧れの存在としてあげる場面もあった。
高木氏もこの点について触れながら「持っている球自体は、まっすぐに関しては岩瀬よりすごい」と絶賛。今後の成長過程でさらに飛躍していくことを願っていた。
開幕を見据えて、育成選手の支配下をめぐっての争いも注目されている。阪神では16日の試合で好投した工藤、また同試合で制球に苦しみ、1回持たず7失点となったホセ・ベタンセスなど候補は複数あがる。果たして支配下への切符をもぎ取るのはどの選手となるか。アピールは続いていく。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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