「女子スポーツによる地域貢献のロールモデルチームに」。そんなミッションを掲げ、地域とのつながりに力を入れる関西リーグ1…

 「女子スポーツによる地域貢献のロールモデルチームに」。そんなミッションを掲げ、地域とのつながりに力を入れる関西リーグ1部の女子サッカーチーム「SASAYURI FC SHIGA」(本拠地・滋賀県甲賀市)。鳥飼健一代表兼監督(37)に、地域と密接に関わるチームのあり方と夢を聞いた。

 ――地域貢献を第一にしたのは?

 「甲賀レディース」として2011年に発足したが、土のグラウンドで泥んこになるのに更衣室がなかったり、選手の進路が限られていたりと苦労が多かった。そんな中、市内に工場を持つプラスチック製造会社から女性の雇用を増やしたい、と話があり、選手の雇用や資金の援助をいただいた。それをきっかけに、応援してもらうだけでなく、地域の方々の困りごとを解決していこう、と。

 ――チーム名を変えました。

 私が代表に就任し、「滋賀・甲賀の町に笑顔を届けよう」という新たな理念を作った。甲賀市の花のササユリと、滋賀全体を応援し、応援される存在になりたい、と滋賀の名も入れた。

 以前から行っていた街や駅などでのごみ拾いだけでなく、住民参加型のイベントを市内外で始めた。小学生以下の女子向けと中高年向けのボール遊びのイベントを甲賀で、大人向けのフットサルを守山市で、それぞれ月1回ずつ。企業交流や従業員の健康増進に役立ててほしい、と企業対抗フットサル大会も始めた。「甲賀流忍者大祭」をはじめ、地元の様々なイベントも手伝っている。彦根市の子育てイベントでサッカー教室も開いた。24年の1年間だけで約50のイベントの開催や手伝いをした。

 ――練習時間が限られてしまうのでは。

 最初はそれへの不満が多く、辞めてしまう選手もいた。でも、地域貢献に力を入れず応援してもらえなかったら、結局サッカーができる環境を失う、ということを選手に伝え続けている。

 試合に応援に来てくれるのも、最初は選手の家族ら20~30人だった。昨年は1試合300人とか500人が見に来てくれた。パートナー企業もこの2年弱で10社程度から約70社に増えた。小学1年から大人までの50人の選手たちも、応援されるから頑張りたい、この人たちのために勝ちたい、と感じる。それが結果につながる。来季はトップチームが20人、高校生以下のアカデミーが30人くらいになる。

 ――今後の目標や夢は。

 ササユリは種から7年ほどで花を咲かせるという。なので30年にはWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)入りを果たしたい。夢は、甲賀にスタジアムを造ること。介護施設や学童保育、居酒屋やサウナもあり、スポーツに限らず地域の皆さんが楽しめるものにしたい。チーム、住民、企業や自治体の「三方よし」を目指します。(聞き手・四倉幹木)

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 とりかい・けんいち 1987年生まれ、鳥取県出身。吉備国際大卒業後、大阪教育大大学院で学ぶかたわら同大学男子サッカー部コーチを務める。滋賀国体成年女子ヘッドコーチなどを経て22年、滋賀国スポ少年女子コーチ。