【グランドスラム オブ カーリング】マスターズ (1月17日/カナダ)【映像】藤澤五月の“21秒”劇的同点ショットの瞬間 世界最高峰のカーリングツアーでロコ・ソラーレ(Fujisawa=世界ランク7位)はカナダのチーム・エイナーソン(Ein…

【グランドスラム オブ カーリング】マスターズ (1月17日/カナダ)

【映像】藤澤五月の“21秒”劇的同点ショットの瞬間

 世界最高峰のカーリングツアーでロコ・ソラーレ(Fujisawa=世界ランク7位)はカナダのチーム・エイナーソン(Einarson=同6位)との予選ラウンド最終ゲームで劇的な逆転勝利。他試合の結果を受けてタイブレーク進出を決めた。

 後攻を持ったロコ・ソラーレだが第1エンドはオープンな展開ながら1点を取らされる。逆に第2エンドはコーナードロー合戦を制す形で1点を与える。第3エンドはロコ・ソラーレの藤澤五月、第4エンドはケリ・エイナーソンが、それぞれチャンスを迎えたが決めきれず、いずれも1点どまり。ハンマー(後攻)が入れ替わる目まぐるしい前半戦を2-2で終えた。

 第5エンドをブランクにしチャンスを待つロコ・ソラーレだが、第6エンド、第7エンドとアイスにアジャストしてきたエイナーソンに常にポジションを奪われ、連続でスティールを許してしまう。

 だが、複数点必須で迎えた最終第8エンド、吉田夕梨花が盤石のセットアップを仕込むと、鈴木夕湖はソフトウェイトのプロモーションテイクとランバック気味のショットで効果的に石を散らした。吉田知那美が2投目でレイズ気味のテイクでお膳立てすると、そのチャンスをしっかり藤澤が仕留める。極限状態でショットを繋げてエキストラエンドに突入すると、ABEMAの視聴者もコメント欄も「ロコソラーレ劇場始まりました」、「泣く準備はできています」などと大逆転劇を期待し始めた。

 不利な先攻でのエキストラエンドだったが、仕上がっていたロコ・ソラーレの勢いは止まらなかった。吉田夕のセットアップと鈴木のセンターカマーで好形を作ると、相手スキップのエイナーソンが形を変えようとリスクのあるショットを選択。これが相手にとっては不運な石の跳ね方を見せ、ロコ・ソラーレの赤い石をがNo.1ストーンとなる。

 藤澤五月はこのNo.1を守るガードストーンをハウス内の浅い場所に置く決断をするが、ピンポイントでなければ間を抜かれてしまう。精度の求められるショットだったが、試合後のインタビューで鈴木が「さっちゃんがスイープを使うウェイトで投げてくれた」と振り返っように、藤澤が臆さずにスイーパーを信じた遅めのウェイトで投げ切ったことで、吉田知のラインコールにも導かれ、鈴木と吉田夕のフルスイープが発動。狙った位置に完璧なガードを配備し、エイナーソンの最終投の道をすべて通行止めにした。

 終わってみれば3点スティールの劇的勝利だ。これで通算成績を2勝2敗とし、他カードの結果を受けてクオリファイ(プレーオフ進出)をかけたタイブレークへの進出も決定した。昨日の敗戦を受け「チームミーティングでまた私たちらしくない、格好つけ始めてたね。って話をみんなでしていたので、格好つけないロコ・ソラーレスタイルで明日もチャンスがあればいいなと祈っています」と内情を鈴木が明かしてくれた。タイブレークは日本時間18日21時半から試合が始まる。崖っぷちからの進撃はまだ続くのだろうか。

(ABEMA『SPORTSチャンネル』)