12日に行われた第77回全日本バレーボール高校選手権(産経新聞社など主催)で、駿台学園が春高3連覇に加え、全国高校総体、東京選抜の中核を担った国民スポーツ大会との〝3冠〟を成し遂げた。センターコートに校歌が響くと、多くのメンバーの目元には涙…
12日に行われた第77回全日本バレーボール高校選手権(産経新聞社など主催)で、駿台学園が春高3連覇に加え、全国高校総体、東京選抜の中核を担った国民スポーツ大会との〝3冠〟を成し遂げた。センターコートに校歌が響くと、多くのメンバーの目元には涙が光った。「苦しい1年だった」。197センチのアタッカーとして注目を集めた川野琢磨(3年)は、偉業達成までの道のりをそう振り返った。
3連覇の原動力となったのは「前の代を超える」ために磨き抜いたバックアタックだ。前回大会のメンバーは粘り強い守備が特徴だったが、「守備で先輩を上回ることはできない」と攻撃力の強化に乗り出し、新チームで新たに取り入れたという。
当初は高い打点でトスを打ち抜くのが精いっぱいだったものの、セッター三宅綜大(そうだい、3年)が「速攻と重なるぐらいのイメージ」との目標を掲げ、川野とダブルエースの桜井信人(3年)らが速さを追求。この日、2人で計11本を相手コートにたたき込み、相手の脅威となった。梅川大介監督は「ベストを出してくれた。3年生が頼もしいゲームだった」とたたえた。
OBが所属する大学を相手に力試しに行くのが、駿台学園の毎年の恒例行事という。「後輩たちが苦手なプレーを知っているから、嫌がられるんです」(梅川監督)。12日の決勝の先発は、全員が3年生だった。先輩を超えようと野心を持った下級生たちは、どんな新チームを作り上げるか。(石原颯)