「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会最終日(12日、東京体育館)男子決勝は駿台学園(東京)が東福岡にストレート勝ちで3年連続4度目の優勝。最優秀選手賞に輝いたエース、川野琢磨(3年)を中心に初戦から…

「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会最終日(12日、東京体育館)男子決勝は駿台学園(東京)が東福岡にストレート勝ちで3年連続4度目の優勝。最優秀選手賞に輝いたエース、川野琢磨(3年)を中心に初戦から1セットも落とさない完全優勝で史上2校目の3連覇を果たした。高校総体と東京都選抜の主体として出場した国民スポーツ大会に続くタイトルで〝高校三冠〟を達成した。

3年連続で歓喜の輪ができた。第3セットの24-17。駿台学園の川野は相手のスパイクがアウトになると、両手を広げて雄たけびを上げた。

「この1年間、プレッシャーもあったけど、最後に勝ち切れたことがよかったです」

史上2校目の3連覇と〝高校三冠〟という大きな目標を掲げて挑んだ高校最後の大会。197センチのエースは重圧から解放され、満面の笑みでチームメートと抱き合った。

試合は桜井信人(3年)の豪快なサービスエースで幕を開けた。川野も高さのあるブロックやアタックで続いて2セットを連取。迎えた第3セットは15-12から背番号1が2連続得点を奪って突き放した。

初戦から決勝まで5試合で1セットも取られない完全優勝。現日本代表の高橋藍(サントリー)を擁した2020年大会の東山(京都)以来となる快挙も達成した。

「練習の質は日本一。彼らに求めるものはSV(リーグ)と、ほぼ変わらない」と梅川大介監督。高校男子で無双状態の駿台学園は下級生にもタレントが豊富で、Bチームでも全国レベルという分厚い選手層だ。準決勝前日の練習でも6対6の実戦形式で主力組が控え組に連続得点を許す場面があった。「レギュラーじゃなくても(レギュラーに)入る力があるメンバーはいる」と川野。大学生とのハイレベルな練習試合を重ねて、〝打倒駿台〟に燃える他校の追随を許さなかった。

高橋藍や石川祐希(ペルージャ)も手にした大会MVPに輝いた川野は卒業後、早大に進学するとともに、強化育成選手としてSVリーグの東京GBでもプレーする。「やるからには中途半端に終わらないで、どちらでも活躍したい。日本代表に入りたい」。高校ナンバーワンアタッカーは、既に3年後のロサンゼルス五輪を見据えている。(山下幸志朗)

■川野 琢磨(かわの・たくま) 2006(平成18)年7月25日生まれ、18歳。東京・足立区出身。東京・渕江中3年時に全国中学校選手権大会で優勝、東京都選抜に選ばれJOC杯でも優勝した。駿台学園高に進学し、1年から春高で3年連続優勝。昨年11月にSVリーグ・東京GBの強化育成選手として入団することが発表された。高校卒業後は早大へ進学予定。197センチ。最高到達点は343センチ。

★学校紹介

駿台学園(すんだいがくえん) 1932(昭和7)年に駿台商として創立。58年に現校名に改称。私立共学校で生徒数は600人。男子バレー部は63年創部。部員数は64人。春高は15年連続17度目の出場で、2017、23、24、25年優勝。主なOBは村山豪(愛知)、坂下純也(広島T)。学校所在地は東京都北区王子6の1の10。瀬尾兼秀理事長・校長。