「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会第4日(11日、東京体育館)1面の特設コートで5セットマッチによる準決勝が行われ、女子は9大会ぶり4度目の東京対決となった。共栄学園はエースで主将の秋本美空(みく…
「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会第4日(11日、東京体育館)1面の特設コートで5セットマッチによる準決勝が行われ、女子は9大会ぶり4度目の東京対決となった。共栄学園はエースで主将の秋本美空(みく、3年)が計42得点と大車輪の活躍で前回優勝の就実(岡山)を3-1で撃破した。
前回優勝校の就実を相手に、秋本が段違いの力を見せつけた。スパイク得点はチーム総数の約半分となる36。さらにサービスエース4、ブロック2を決めて、何と1試合で42得点をマークした。
「去年優勝したチームにセンターコートで勝てて、とてもうれしい」
2012年ロンドン五輪銅メダリストの母、愛さん(旧姓・大友)譲りのセンスと184センチの高さで得点を量産した。試合序盤、2連続サービスエースで一気にチームを波に乗せ、セットを先取。第2セットは取り返されたが、「死ぬ気でやろう」と仲間を鼓舞した。第3セットは序盤、1-4から秋本の強打などで7連続得点し、流れを奪い返した。
秋本が後衛に回ると就実に得点を詰められる場面もあった。そんなときでも「頑張って」などと盛んに声掛けすると、献身的にレシーブに走り、バックアタックにも跳んだ。
「去年、一昨年は美空が潰れると負けたけど、今回の美空は全然潰れない。1本1本にかける思いがすごく重くなっている」とは木村響稀(3年)。そんな主将に引っ張られ、チーム全体が成長している。
先発唯一の1年、山下裕子は最後の最後、相手強打を鮮やかにブロックして勝利を決めた。自身の手に残った感触で成長を実感した山下は「美空先輩がブロックのステップをわかりやすく教えてくれた」と感謝する。
決勝は共栄学園中から数えて6年、苦楽を共にしてきた仲間たちと最後の試合。昨年11月の東京都大会準決勝で敗れた下北沢成徳との再戦だ。「みんなのおかげでここまで来られた。絶対に勝つっていう気持ちを持ってやりたい」と秋本。センターコートで高校生活の集大成を披露する。(只木信昭)
■秋本 美空(あきもと・みく) 2006(平成18)年8月18日生まれ、18歳。神奈川県出身。共栄学園高3年。アウトサイドヒッター。母は2012年ロンドン五輪銅メダリストの愛さん(旧姓・大友)。小2で競技を始め、共栄学園中3年時に全中で優秀選手、JOC杯で五輪有望選手に選ばれ、22年U18アジア選手権で優勝。23年に日本代表候補に初登録。24年U20アジア選手権準優勝。184センチ、68キロ、最高到達点301センチ。