「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会は5日、男女各52校が参加して東京体育館で開幕する。将来の女子日本代表を背負って立つと期待される東京・共栄学園の秋本美空(みく、3年)は開幕前日の4日、最後の春高…

「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会は5日、男女各52校が参加して東京体育館で開幕する。将来の女子日本代表を背負って立つと期待される東京・共栄学園の秋本美空(みく、3年)は開幕前日の4日、最後の春高で仲間とともに最高の思い出を作るべく、チームを引っ張る覚悟を語った。

高校生活最後の全国大会。共栄学園中からの同級生とは共に過ごした6年間の集大成だ。秋本の表情に気合がこもる。

「みんなで楽しんで、自分たちがしたいプレーができる雰囲気を作って、最後まで勝ちたい」

最上級生となった今年度は主将を任された。中学までは経験がなく、本人は「チームをまとめるのが得意じゃないんで、向いてない」というが、立場が人をつくる。

もともと「他人にあれこれ言うのが苦手だったけど、『言うなら自分もやんなきゃ』と考えるようになった」。積極的に仲間に指示し、鼓舞するようになった。銀メダルを獲得した昨年7月のU20アジア選手権(中国)でチームメートだった大学やSVリーグの先輩たちから刺激を受け、頼られる立場になろうと意識を高めたともいう。

2012年ロンドン五輪銅メダリストの母、大友(旧姓)愛さんの才能を受け継ぎ、184センチの身長に加え、ミドルもサイドも、時にはセッターもこなす。1年時にはフル代表にも登録されたマルチプレーヤーは、21歳の夏に行われる28年ロサンゼルス五輪へ「選ばれるのが目標じゃない。出て活躍できる選手になれるようにしないと」と強い意欲を示す。

高校総体には、激戦区・東京で3年間出場できず、春高では1年時に8強、2年時は初戦敗退。全国で満足いく結果を残せていない。最後の春高で、5日の初戦は近江兄弟社(滋賀)と対戦する。「悔いを残さないように。今年は日本一を取ります。取りたいです」。秋本が、強い思いをボールにぶつける。(只木信昭)

■秋本 美空(あきもと・みく) 2006(平成18)年8月18日生まれ、18歳。神奈川県出身。共栄学園高3年。アウトサイドヒッター。母は2012年ロンドン五輪銅メダリストの愛(旧姓・大友)さん。小2で競技を始め、共栄学園中3年時に全国中学大会で優秀選手、JOC杯全国都道府県対抗中学大会でオリンピック有望選手に選ばれ、22年6月のU18アジア選手権で優勝。23年に日本代表候補に初登録。24年U20アジア選手権準優勝。184センチ、68キロ、最高到達点301センチ。