左前腕屈筋群の張りの診断を受けたモイネロ 2年ぶりのリーグ優勝を決めたばかりのソフトバンクが、アクシデントに見舞われた。…
左前腕屈筋群の張りの診断を受けたモイネロ
2年ぶりのリーグ優勝を決めたばかりのソフトバンクが、アクシデントに見舞われた。シーズン途中からセットアッパーとして主に7回を担っていたキューバ人左腕、リバン・モイネロ投手が18日の西武戦(メットライフD)で、負傷により緊急降板したのだ。
この試合、1点リードで迎えた延長10回にモイネロはマウンドに上がった。先頭の源田に左翼線への二塁打を浴びると、1死二塁から代打・坂田に四球。森への初球に、源田にバッテリーのスキを突かれて三盗を決められると、森に右前適時打を浴びて同点とされた。
緊急事態はここから起きる。続く金子侑への3球目を投じたところで、異変を訴えたのだ。捕手の高谷がベンチへ声をかけ、佐藤義則投手コーチとトレーナー、通訳がマウンドへ。言葉を交わすと、左腕はそのままベンチへと下がり、工藤公康監督が寺原への交代を告げた。2ボール1ストライクから後を受けた寺原が、フルカウントからの8球目、金子侑に左翼線へのサヨナラ適時二塁打を浴びて、まさかの逆転サヨナラ負けとなった。
18日の試合後に、工藤公康監督は「肘に張りが出たみたい」と説明。球団は翌19日、同選手が札幌市内でMRI検査を受け、左前腕屈筋群の張りと診断されたと発表した。今後は状態を見てスローイングを再開するとしている。
優勝の立役者となった鉄壁リリーフ陣
モイネロは、15日の移動日を挟んでいたとはいえ、9月14日のオリックス戦(ヤフオクD)からこの日まで4連投。優勝を決めた16日の西武戦(メットライフD)でもマウンドに上がり、優勝決定翌日の17日も登板。満塁とされ、この日3つ目の四球となる押し出し四球を与え、サヨナラ負けを食らっていた。軽症で数日間の休養で済むならいいが、復帰が長引けば、その影響は大きい。
今季のソフトバンクは、このモイネロや岩嵜、サファテらが形成した鉄壁のリリーフ陣が優勝の立役者だった。優勝を決めた16日まで、6回終了時点でリードを奪った試合が74勝1敗だったいう驚異的な成績を見ても、それは明らかだ。
5月に育成選手としてキューバから来日したモイネロだが、150キロ前後の真っ直ぐとチェンジアップ、カーブなどを武器にファームで圧巻の投球を披露。わずか1か月半で支配下登録されると、そのまま6月16日に出場選手登録されて1軍に昇格した。
昇格当初は敗戦処理やロングリリーフなどで登板していたものの、そこで安定した成績を残すと、勝利の方程式の一角に組み込まれるようになった。6月は登板わずか1試合だったが、7月は20試合中11試合、8月には25試合中12試合に投げ、9月は13試合中、早くも10試合に登板。34試合で4勝3敗15ホールド1セーブ、防御率2.52の成績を残してきた。
モイネロの穴を埋める投手は?
7月1日からソフトバンクが戦ってきたのは58試合。モイネロはその内、半分を越える33試合に登板し、34回2/3を投げている。サファテは34試合で34回1/3、岩嵜は同じ33試合で32回で、わずかな差ではあるが、7月からの3か月でリリーフ陣の中で、モイネロが最もイニングを投げていた。
モイネロが長期離脱となれば、左腕が担っていた7回には五十嵐亮太か森唯斗が入ることになるだろう。五十嵐は左太もも裏の肉離れから復帰したばかりで、18日の西武戦では2失点と、まだ本調子とは言えない。となると、1番手は森になるだろうか。
シーズン51セーブという前人未到のセーブ数を挙げているサファテは、優勝が決まり、数日間の休養を与えられた。工藤監督は、岩嵜についてはこれまで通り起用する方針を明かしていたが、右腕はすでに69試合に登板している。
もしもモイネロの復帰がずれ込めば、さらなる負傷者や不振は、クライマックスシリーズに多大な影響を及ぼしかねない。工藤公康監督は残り試合でのリリーフ陣の起用に、再考の余地があるのかもしれない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)