日本代表はホームでオーストラリアと1ー1の引き分けに終わり、最終予選の4試合目にして初失点を喫しただけでなく、4連勝を…

 日本代表はホームでオーストラリアと1ー1の引き分けに終わり、最終予選の4試合目にして初失点を喫しただけでなく、4連勝を飾ることもできなかった。

 最終予選を確実に突破するというミッションを考えれば、2位以内を争う直接のライバルになりうる勝点3を与えなかったことは決してネガティブな結果ではない。しかしながら、キャプテンの遠藤航を体調不良で欠いた中で、明確な課題を突き付けられるゲームになったことも確かだ。
「ホームなのでね。勝たないといけなかったと思うし、サポーターが、ずっとゼロで来てて、複数得点してっていう試合を多分望んでいただろうし、僕たち自身も簡単にはいかないだろうと思っていたものの、そこを目指してやってたので。結果だけ見たら、ポジティブに捉えられるものではなかったなと。ホームなので。勝ちたかったです」
 そう語ったのは最終予選で4試合連続のスタメンを飾ると同時に、遠藤に代わってキャプテンマークを巻いた守田英正だ。結果的に、この試合のMOMに選ばれたが、本人も「すごい良かったかっていうと、そうはそう思ってなくて。選ばれたことは光栄で嬉しいですけど、さっき言ったように、不甲斐ないパフォーマンスだったかな」と振り返る。

■「キャプテンをできるのは本当に光栄なこと」

 ゲームキャプテンの役割に関しては「必要以上に変なプレッシャーがかかったりとか、そういった気持ちはないですし、むしろキャプテンをできるのは本当に光栄なこと」と主張するが、守田が遠藤不在の影響を認めたのは中盤の補完関係についてだ。
 この日、3ー4ー2ー1の2ボランチを組んだのは田中碧。言わずと知れた川崎フロンターレ時代の同僚であり、日本代表においても一緒のピッチに立った経験は十分であるはずだった。しかし、5ー4ー1のブロックをベースに、日本のビルドアップを限定してくるオーストラリアに対して、前半から探り探りの部分が見え隠れしてしまった。
 前半のスタッツを見るとポゼッションは67%で、パス成功率も85%を超えており、ボールを握れていなかったわけではない。その中で局面を切り取れば、前半19分に田中のパスからFW上田綺世が落として、久保が高い位置で仕掛けるシーンやセカンドボールを田中がミドルシュートに持ち込むシーンなど、少なからずチャンスはあった。
 前半34分には田中がパスコースを作った状態で守田が縦に浮き球のボールを入れて、上田をクッションに、左サイドの三笘薫が得意のカットインから右足シュートを放ち、惜しくも相手のブロックに阻まれた。

■生かしたかった「自由さという彼にしかない能力」

 前半のチャンスの1つがゴールになっていれば、試合展開が別のものになっていたのは確かだが、守田は田中との関係について「(田中)碧も3バックでプレーする機会が少なくて。考えながらやりすぎた分、ちょっと良い意味でのアンバランスさ、自由さという彼にしかない能力っていうのをうまく試合で使わせてあげれなかった」と反省した。
 相手の出方を含めて、前半に守田が感じていた問題を田中と話し合いながら、後半の改善に繋げていこうとした矢先のオウンゴールによる失点で、その後のメンバーチェンジによって試合がオープンになったのは仕方がないことだが、二人の関係を構築するという意味でも難しくなってしまった。
「碧をどうにかして生かしてあげないとという気持ちがあるからじゃなくて、それが同じユニットじゃない分、差があるし、気もつかうし。でも彼のことは必要最低限、知ってるつもりだし、今日彼のパフォーマンスがどうだったかは人それぞれ印象が違うと思いますけど、もっとやれるだろうし、僕ら次第でもっとやれたんじゃないかと思う」
 守田は最終予選が厳しいものであり、最大のライバルにもなりうるオーストラリアに対して、簡単な試合になるはずがないことを理解している。前半に関しても「枠に飛んでればとか。少なからずチャンスは作っただろうし、それをものにできるかできないかっていう勝負の世界」ということは十分に承知した上で、チームとしての共通理解をもっと深めて、その中でボランチの関係性を整理していかないと、その都度、メンバー固定化のリスクが生じてしまう課題を示唆していた。
(取材・文/河治良幸)

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