ヤクルトは前半戦最終戦で見せた“打ち勝つ”野球で巻き返しを図りたい(C)産経新聞社  プロ野球の後半戦がスタートする。リーグ最下位からの巻き返しを図るヤクルトは、主砲の村上宗隆が前半戦最後のカー…

 

ヤクルトは前半戦最終戦で見せた“打ち勝つ”野球で巻き返しを図りたい(C)産経新聞社

 

 プロ野球の後半戦がスタートする。リーグ最下位からの巻き返しを図るヤクルトは、主砲の村上宗隆が前半戦最後のカードとなったDeNA戦(神宮)で16号、17号アーチを放つなど復調の兆しを見せると、オールスターゲームでも逆方向への当たりで2試合連続の本塁打を放った。村上らしい打撃が見られるようになり、後半戦に大きな期待が持てそうだ。

【動画】延長11回の死闘を制す!ヤクルトが前半戦最終戦でサヨナラ勝利

 

 さらに、前半戦を終えて打率、出塁率ともにリーグトップに立つドミンゴ・サンタナが神宮で行われたオールスターゲームで2安打を放ち、左足裏痛で抹消されて心配されていたが、球宴に出場して健在ぶりをアピールした。ホセ・オスナも直近3試合で3発を放ち、6打点を挙げる好調ぶりだ。

 長岡秀樹も4試合連続安打で前半戦を終えて打率.282と好調で、21日のDeNA戦(神宮)では延長11回に2点を勝ち越された直後、無死二・三塁から同点の適時打を放ち、勝負強さを見せると、オスナのサヨナラ打につなげた。

 前半戦の最後で持ち味である“打ち勝つ”野球を体現したヤクルト。長岡は「取って取られて厳しい試合が多いですけど、相手より1点でも多くと思いながらみんなやっている」と、打撃陣の思いを代弁した。

 ヤクルトはチーム防御率が前半戦終了時点でリーグ最下位の「3.40」で315失点。一方、打率はリーグ2位の「.239」で307得点と、打線のチームであることは明白だ。もちろん、後半戦は投手陣の奮起にも期待したいが、前半戦最終戦のように、打ち合いになったら決して負けないことが、逆襲への“絶対条件”だ。

 そのためには、レギュラーの他に控え野手の活躍にも大いに期待したい。21日のDeNA戦(神宮)でオスナ、長岡とともに初のお立ち台に上がった24歳の赤羽由紘は「2番・中堅」でスタメンに抜擢され、今季初本塁打に加え、9回には左翼のポジションでチームの悪い流れを断ち切る好守備を見せた。

 赤羽は試合後「前半戦なかなか結果も出ていなかったですけど、こうやって前半戦最後の試合でいい結果が出たので、後半戦いい結果が残るように頑張っていきたい」と意気込みを語った。

 また、この日は、4回二死三塁から25歳の増田珠が代打で一時同点となる適時打、延長11回無死一・二塁から26歳の岩田幸宏がサヨナラを演出する貴重な送りバントを決めるなど、途中出場の選手が勝負所で好結果を残した。

 大松尚逸打撃チーフコーチは「勇気持ってスイングしてホームランとか、厳しい場面でバント決めてくれたり、普段から彼らは本当にめちゃくちゃ練習してますし、そうやって普段の練習の成果というか、やっぱりやることしっかりやっていますので、ああいうところでいい結果が出るのだと思う」と、日ごろの練習の成果の賜物であると称えた。

 そして、同コーチは後半戦へ向けて「ヤクルトは打つチームなので、やっぱり打ち合いになったら勝てるというところは、自分たちは目指していかなければいけない」と強調した。

 “打ち勝つ”ためには主力の活躍が必要不可欠で、さらにレギュラー以外の選手たちの底力がチーム力をアップさせる。残り56試合、上位チームの壁を打ち破りたい。

 

[文:別府勉]

 

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