クライミングW杯リード第2戦(オーストリア・インスブルック)の男女決勝が6月30日(日本時間7月1日)に行われ、女子はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)、男子はヤコブ・シューベルト(オーストリア)が優勝しパリ五輪代表の2人が頂点に立った。…


 クライミングW杯リード第2戦(オーストリア・インスブルック)の男女決勝が6月30日(日本時間7月1日)に行われ、女子はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)、男子はヤコブ・シューベルト(オーストリア)が優勝しパリ五輪代表の2人が頂点に立った。日本勢は同じくパリ五輪に出場予定の森秋彩が準優勝で表彰台に上がった。

 予選はボルダー第3戦を終えた翌日の現地時間29日に行われ、日本勢は男子9人、女子5人が準決勝に進出。パリ五輪代表の安楽宙斗と森が2位で男女の日本勢トップだった。30日の準決勝は本間大晴が3位、田中修太が5位、楢崎智亜が8位、森が2位で男子3人、女子1人の日本人選手が決勝へ。パリ五輪代表の楢崎は3位に入った2019年廈門大会以来のリードW杯ファイナリスト入りを果たした。

ボルダーに続き、リード決勝にもたくさんの観客が集まった

決勝を登る森

 女子決勝は高度23へのランジが鬼門となり、4人が22+で競技を終える。7番手の森は同パートへのムーブを起こすまで時間を要するも、それまでの選手がつかめなかった左手の手前をマッチする選択で難所を突破。暫定首位のソ・チェヒョン(韓国)が避けたクロスによるクリップにも成功し、ソの記録36を超える。声援が大きくなる中、そのまま一気にトップホールドへのムーブをつなげた。最後まで落下する気配を見せずに登り切った森は両手を上げて歓声に応えた。

森は危なげなくトップホールドに達した

 直後に登場したガンブレットは大きく飛ばずに高度23へ。森より速いペースで終盤に進んだが、残り数手のムーブを嫌がったのか時間がかかってしまい、タイムアップが懸念されるも残り3秒で最終点にクリップ。カウントバックで森を上回り、ボルダーに続く今大会2冠を達成した。森とは準決勝も48+で並んでおり、予選の成績までさかのぼる形に。予選は2ルートのうち1本でタイ、もう1本でガンブレットが高度50での完登、森が49+で、その差はわずかだった。

ガンブレットは制限時間ぎりぎりで完登した

 一方の男子決勝は先頭の楢崎が得意のコーディネーションムーブで観客を沸かせるも、足の処理に手こずり、手がポケットに入らず28+にとどまる。その後は体力を奪う中盤以降で多くの選手が苦しんだ中、準決勝首位だったシューベルトが驚異の粘りでそれまでの最高成績42+を抜き、高度45まで記録を伸ばした。楢崎は8位、本間は高度29で6位、田中は34+で5位だった。次回のW杯は今月12~14日(現地時間)にフランス・シャモニーでスピード第3戦、リード第3戦が行われる。

楢崎は5年ぶりのリードW杯決勝を8位で終えた

日本男子トップの5位に入った田中

優勝したシューベルト。IFSCによれば21個目のリードW杯金メダル獲得となった

 

<決勝リザルト>



[女子]
1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/TOP
2位:森 秋彩(JPN)/TOP
3位:ソ・チェヒョン(KOR)/36
4位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/22+
5位:アレクサンドラ・タコバ(BUL)/22+
6位:アナスタシア・サンダース(USA)/22+
7位:マッテア・ポッチ(AUT)/22+
8位:ツァン・ユートン(CHN)/21+
―――――
11位:高尾 知那(JPN)※準決勝進出
16位:小武 芽生(JPN)※準決勝進出
22位:小田 菜摘(JPN)※準決勝進出
23位:谷井 菜月(JPN)※準決勝進出
40位:竹内 亜衣(JPN)
43位:美谷島 ももか(JPN)



[男子]
1位:ヤコブ・シューベルト(AUT)/45
2位:アレクサンダー・メゴス(GER)/42+
3位:トビー・ロバーツ(GBR)/41+
4位:コリン・ダフィー(USA)/40+
5位:田中 修太(JPN)/34+
6位:本間 大晴(JPN)/29
7位:ヨナス・ユテライ(SUI)/29
8位:楢崎 智亜(JPN)/28+
―――――
10位:安楽 宙斗(JPN)※準決勝進出
11位:村下 善乙(JPN)※準決勝進出
12位:吉田 智音(JPN)※準決勝進出
16位:小俣 史温(JPN)※準決勝進出
17位:百合草 碧皇(JPN)※準決勝進出
24位:今泉 結太(JPN)※準決勝進出
28位:樋口 純裕(JPN)
35位:緒方 良行(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、決勝成績(高度)
※同高度の場合は前ラウンド、あるいは前々ラウンド順位の高い選手が上位

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編集部 /

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