<ソフトバンク2-1西武>◇27日◇みずほペイペイドームソフトバンクが本拠地が「みずほペイペイドーム福岡」に改称された初戦を小久保体制初のサヨナラ勝ちで飾り、今季最長タイの4連勝を決めた。1-1同点の延長10回1死一、三塁で途中出場の川瀬晃…

<ソフトバンク2-1西武>◇27日◇みずほペイペイドーム

ソフトバンクが本拠地が「みずほペイペイドーム福岡」に改称された初戦を小久保体制初のサヨナラ勝ちで飾り、今季最長タイの4連勝を決めた。1-1同点の延長10回1死一、三塁で途中出場の川瀬晃内野手(26)がプロ初の劇的タイムリー。9年目の“伏兵“がヒーローとなり、貯金も最多を更新する「9」に増やして首位がっちりだ。

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いつもはヒーローを追いかける側だった川瀬が、逆の立場を初体験した。「ギータさん(柳田)に熱く抱擁されたので、こんな気分なんだなぁと。今は余韻に浸っているところです」。先輩たちに頭をポンポンされ、体はウオーターシャワーでびしょぬれ。「感動しました。先輩方が僕の方に走ってきてくれるので、あんな感じなんだなと」。プロ9年目で初のサヨナラ打は格別だった。

8回、山川が四球を選び代走で出場し、巡ってきたこの日の初打席だった。「先輩方がつないでくれたチャンスだったので」。先頭打者の周東が左翼ライン際にエンタイトルツーベース。フェアゾーンで弾んだ打球が客席に入るラッキーな形でチャンスメーク。バント職人の今宮が犠打で送り、1死三塁。柳田が申告敬遠で歩かされたが、“伏兵”が試合を決めた。「外野も内野も全員前(前進守備)だった。三塁ランナーも(周東)佑京さんでしたし、とにかく前に飛ばそうと」。西武増田の直球を右中間に運び、今季最長タイの4連勝を決めた。

昨オフ、曇りなき目で言っていた。「野球はホームランが全てじゃないでしょう」。柳田、山川、近藤…。ホークス打線は12球団トップクラスの超重量打線を形成する。自分に求められるものは「泥臭さ」と何度も公言してきた。「本当は派手に目立ってみたい気持ちもあるのか?」。そんな質問は一蹴された。「ないです。ないです。泥臭くです。いろんな考えがあると思うんですけど、僕の理想は『泥臭く』だとたどり着きました。それが自分の持ち味。その姿にひかれてくれる人も必ずいると思うので」。川瀬にとっては今季10打席目。代走や守備固めで泥臭くチームに貢献してきた男がヒーローに輝いた。

西武には今季4戦4勝で貯金を9に増やして首位をがっちり守った。延長戦は4試合目で初勝利。サヨナラは新小久保ホークスで初めてだ。指揮官は川瀬を「なくてはならない選手です」とうなずく。本拠地のネーミングライツが25日に「みずほペイペイドーム福岡」に改称されての初陣星。記念の試合で川瀬が決着をつけた。【只松憲】

◆川瀬晃(かわせ・ひかる)1997年(平9)9月15日、大分市生まれ。大分商から15年ドラフト6位で入団。広島森下は大分商時代のチームメートで同学年。愛称はマンガのキャラクターの「コボちゃん」。昨季は自己最多102試合に出場した。通算成績は323試合、打率2割2分4厘、0本塁打、40打点。今季から背番号0。推定年俸は2700万円。オリックスの育成選手、川瀬堅斗投手(21)は実弟。176センチ、70キロ。右投げ左打ち。

▽王球団会長(延長10回のサヨナラ勝利に)「いやあ、今日の勝ちは大きいよ。(西武)今井もいい投球していたからね」

▽モイネロ(先発で7回3安打1失点の好投)「ホームランは打たれてしまいましたが、それ以外は球威もコントロールも納得のいく投球でした。次はもっといい投球ができるように頑張ります」