大相撲の元大関で幕内の朝乃山(30)=高砂=が25日、千葉・木更津市で行われた春巡業の稽古中に右膝を痛め、残り3日の巡業を休場することになった。病院での検査で、右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷のため全治3週間と診断された。約3年ぶりの三役…

 大相撲の元大関で幕内の朝乃山(30)=高砂=が25日、千葉・木更津市で行われた春巡業の稽古中に右膝を痛め、残り3日の巡業を休場することになった。病院での検査で、右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷のため全治3週間と診断された。約3年ぶりの三役復帰が確実な夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)への影響が懸念される事態となった。

 朝乃山がアクシデントに見舞われた。申し合いで大の里、幕内・美ノ海(30)=木瀬=と6番取ったが、途中で輪から離れた。稽古後に病院で磁気共鳴画像(MRI)検査を受け、右膝内側側副靱帯損傷で全治3週間と診断された。

 会場に戻ってきた朝乃山は重い足取り。「けがをしてしまったことは仕方がない」と表情を曇らせた。高砂部屋付きで、巡業部の若松副部長(元幕内・朝乃若)によると、美ノ海との稽古中に痛めたという。先場所は西前頭筆頭で9勝を挙げ、5月の夏場所では出場停止中だった2021年秋場所以来となる三役復帰が確実な情勢。大関返り咲きへ足掛かりを築きたい土俵だが、暗雲がたれ込めてきた。

 昨年名古屋場所では左上腕を痛め、一時は休場を余儀なくされた。同年九州場所も東前頭筆頭だったが、場所前の秋巡業で左ふくらはぎを肉離れ。8日目から途中出場したが負け越し、三役復帰の好機を逃した。アクシデントが続き、若松親方は「最近(けがが)多いですよね。しっかり稽古できるようになってきたのに…」と悔やんだ。

 朝乃山は「膝のけがは初めてなので、だいぶ嫌な感じ。相撲を取った際は気にならなかったが、今は痛みが出ている。本場所まで時間がないので治療するしかない」と声を絞り出した。(三須 慶太)