日本相撲協会は23日、弟子の暴力行為を知りながら報告を怠ったなどとして宮城野親方(元横綱白鵬)を委員から最下位の年寄(再雇用者の参与を除く)へ2階級降格と減俸処分とした。東京・国技館で開いた臨時理事会で決めた。処分は7段階に分かれ、降格は…

 日本相撲協会は23日、弟子の暴力行為を知りながら報告を怠ったなどとして宮城野親方(元横綱白鵬)を委員から最下位の年寄(再雇用者の参与を除く)へ2階級降格と減俸処分とした。東京・国技館で開いた臨時理事会で決めた。処分は7段階に分かれ、降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。

 協会によると、幕内北青鵬が同部屋の2力士に対し、顔への平手打ちや、殺虫剤のガスに引火させ炎を体に近づけるなどの暴行を2022年7月ごろから1年以上していた。宮城野親方はこうした行為を知りながら、事情確認や協会への報告をしなかった。

 史上最多の優勝45度を誇った現役時代に素行を巡って3回処分を受けたことも踏まえ、調査した同協会のコンプライアンス委員会は「暴力根絶を誓った相撲協会の委員の職にとどまらせることは不適当」と断じた。

 力士を指導する師匠としての素養や自覚が大きく欠如しているとし、来月の春場所は所属する伊勢ケ浜一門の中で任命された師匠代行が部屋を監督することも決まった。

 4月以降については今後検討する。理事会後、報道陣の取材に応じた宮城野親方は「弟子を守ることができなかった、その責任を重く受け止めております」と謝罪した。

 北青鵬は引退勧告相当の懲戒処分とみなされたが、理事会前に引退届が出され、受理された。