日大山形-明徳義塾  延長戦で日大山形に競り勝ち、タッチを交わす明徳義塾ナイン=甲子園【写真提供=共同通信社】8年連続19回目の出場となった高知県代表・明徳義塾と、今大会が4年ぶり17回目の出場となった山形県代表・日大山形との1回戦。両校の…

日大山形-明徳義塾  延長戦で日大山形に競り勝ち、タッチを交わす明徳義塾ナイン=甲子園【写真提供=共同通信社】

8年連続19回目の出場となった高知県代表・明徳義塾と、今大会が4年ぶり17回目の出場となった山形県代表・日大山形との1回戦。両校の対戦は2013年の第95回全国高等学校野球選手権準々決勝以来。当時は日大山形が4対3で勝利し、山形勢初の4強入りを決めている。

そんな因縁の一戦は初回から動く。1回表、明徳義塾は1番・菰渕 太陽(2年)が右中間を破る二塁打を契機に一死三塁から4番・谷合 悠斗(2年)のレフト前適時打で1点を先制。しかし日大山形も1回裏、一死二塁から3番・齋藤 史弥(2年)の左横線へ抜ける適時二塁打ですかさず同点に追いついた。

2回の攻防も激しいものに。明徳義塾は先頭打者の6番・久後 健太(3年)が日大山形先発・森田 南々斗(3年)が投じた真ん中高めにスライダーを逃さず、右中間を破る三塁打。続く7番筒井 一平(3年)も真ん中高めに入ったカットボールを右前に弾き返し2対1。しかしその裏、日大山形は二死二・三塁から第1打席で明徳義塾先発・北本 佑斗(3年)から安打を放っている3番・齋藤が今度はセンターへ2点タイムリーを放ち、3対2と逆転を果たす。

その後、試合は両校が攻め合いながらも得点が奪えない展開が続いたが、次のスコアを動かしたのは明徳義塾であった。6回表、二死二塁から7番筒井が、この日2本目の適時打を放ち、3対3の同点に追いつくと、その裏からは期待の2年生・市川 悠太を投入し、日大山形の攻撃の芽を摘むことに成功。ただ、日大山形も7回から2番手マウンドに立った左腕・中西 翔(3年)が2度併殺に仕留めるなど要所を締め、9回を終わって決着つかず。今大会二度目の延長戦に突入した。

迎えた延長10回裏、二死から連打で二・三塁のチャンスをつかんだ日大山形。ここで8番・中西はピッチャー返しで二塁ベースに到達するゴロを放った。誰もがサヨナラ勝ちをイメージした瞬間であったが、ここで立ちはだかったのはセンバツ・早稲田実業戦で延長10回表に同様のゴロを処理できなかった二塁手・近本 攻生(3年)。体勢を崩しながら捕球しながらも、一塁へ正確な送球を決めてサヨナラを阻止。このビックプレーが試合の流れを大きく左右した。

そして12回表、明徳義塾は二死一・二塁から4番谷合 悠斗(2年)の内野安打が敵失を誘いついに勝ち越し。さらに二死二・三塁から、5番・今井 涼介(3年)のライト前へ落とす2点適時打で6対3。最後は7イニングス目となった市川が気迫の投球で日大山形打線を封じ、明徳義塾がベスト4に入った昨年に続く2年連続の初戦突破と同時に、日大山形に4年越しのリベンジを果たした。

なお、明徳義塾の2回戦は8月15日(火)の大会第8日の第2試合で、山梨学院(山梨)に12対5で快勝した前橋育英(群馬)と対戦。センバツで同県の21世紀枠出場・中村が敗れた相手に、高知県、四国盟主の意地を見せられるかに注目が集まる。