井上尚弥に敗れても英雄視 タパレスが推定3トンの米を故郷に寄付！ 母国紙で称賛相次ぐ「黄金の心は無傷だ」

井上に敗れたタパレスだが、自らを育ててくれた故郷への愛だけは色褪せなかった。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

　フィリピンの名手が母国で英雄視されている。昨年12月26日に東京・有明アリーナで行われたボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦12回戦で、WBC＆WBO王者の井上尚弥（大橋）に10回1分2秒KO負けを喫したマーロン・タパレス（フィリピン）だ。

　内容を含めて惨敗だった。「必ず勝ちたい」と意気込んでリングに上がったタパレスはL字ガードを用いた守備からのカウンターで応戦。しかし、井上の猛攻を前に次第にペースダウンすると、4回にダウンを喫して向かえた10回に強烈なワンツーパンチを被弾。成すすべなく敗れたのである。

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　王座から失墜したタパレスだが、偉才と真っ向から対峙した彼の声価は母国内で高まる一方だ。現地時間1月12日には、国内での“ある行動”が脚光を浴びた。地元紙『Manila Standard』によれば、31歳のフィリピン人戦士は、自身の故郷である北ラオナ州カパタガン町に推定3トン以上の米俵を寄付。ファイトマネーを目に見える形にして提供したという。

　今回の井上戦で一族の将来も支えられる“メガマネー”を得たとされるタパレス。それを地元コミュニティーに還元した振る舞いには賛辞も寄せられている。『Manila Standard』は、「イノウエとのリングで敗北を喫し、2つのベルトを失ったかもしれないが、フィリピン人ボクサーの黄金の心は無傷だった」とし、「惜しみない寄付によって彼は今まで以上に愛されるようになった」と強調した。

　カパタガン町の公式ホームページでも「ミスター・タパレス。お米をいただき、心より感謝します。あなたのやさしさは私たちに光とインスピレーションを与えてくれました」と感謝を示されたタパレスには、彼を良く知る関係者も太鼓判を押す。プロモーターを務める『MP Promotion』のショーン・ギボンズCEOは「（マニー）パッキャオのように彼（タパレス）も人々を助けることができ、私は満足している」と称えた。

　井上との激闘に敗れた。しかし、家族を養うために16歳からボクシングを始め、スターダムを上がってきたタパレスの誇りは輝き続けている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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