ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会最終日(8日、東京体育館)1面の特設コートで…

ジャパネット杯「春の高校バレー」第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会最終日(8日、東京体育館)1面の特設コートで5セットマッチの男女決勝を行い、男子は駿台学園(東京)が福井工大福井に3-0でストレート勝ちし、2年連続3度目の優勝。堅い守備で粘り強くつなぎ、高校総体との2冠を達成した。男子の2連覇は2015、16年の東福岡以来8年ぶり8校目の快挙。女子は就実(岡山)が3冠を狙った下北沢成徳(東京)に3-0で勝ち、2大会ぶり5度目の優勝を果たした。1万387人が観戦した。

優勝決定の瞬間、駿台学園の選手全員がコートに倒れ込んだ。主将の亀岡聖成(せな、3年)は、仲間の手で3度宙に舞った。

「今までの苦しかったことも全部報われた。最高のチームと、最高の結果で終えられました」

2連覇と2冠へ、粘りのバレーを貫いた。第1セットは17-17で投入された川野琢磨(2年)の強打で抜け出し、終盤は荒井貴穂(ひで、3年)がチーム4連続得点で先取。第3セットは強化したサーブで崩し、相手エースの堤凰惺(おうせ、3年)の強打をリベロの谷本悦司(2年)、大会最優秀選手に選ばれた亀岡を中心に拾ってつないだ。最後は弟・三宅綜大(2年)のトスから兄・三宅雄大(3年)のスパイクでもぎ取った。

出場校で最多59人の部員全員でチームを作った。コミュニケーションを大切にし、練習では仲間でも厳しいボールを打つ。さらに、登録18人中2人は、3年生がプレーだけでなくチームへの貢献度や生活態度などを見て選ぶことで、活気が生まれた。梅川大介監督は「誰にでもチャンスがあるから、みんな頑張れる」。選ばれた副主将の鵜沼明良(3年)と舟木颯太(2年)は誰よりも声を出し仲間を支えた。

苦しい時期もあった。亀岡は仲間を最優先で考えるあまり、自らは不振に陥った。いつもなら拾えるボールが拾えない―。10月の国体で高川学園(山口)に負け、「自分だけ置いていかれている感じがあった」と振り返る。主将交代の案も出たが、梅川監督の「注目されることを喜び、うれしく感じてプレーすればいい」という助言や同級生の支えもあり、「楽になった」。生命線の守備も復活した。

身長は180センチ前後の選手が多く、絶対的エースがいたわけでもない。それでもサーブの狙い、ブロック、レシーブ位置などを考え抜き、トータルディフェンスを磨いて史上8校目の2連覇達成だ。落としたセットは国体王者・高川学園と激突した3回戦の1セットのみ。卒業後は筑波大に進学する亀岡は「後輩が楽しんでくれてよかった」と最後まで仲間思い。王者の重圧を全員バレーではねのけた。(高橋朝香)

★〝珍プレー〟の動画でリラックス

試合前夜のミーティングでは自分たちの〝珍プレー〟の動画を見てリラックスした。「明るい話や冗談を言いながら『これ何してたの?』と軽い雰囲気で話した。こういうことがあるから、後ろはディフェンス頑張りましょう、みたいに」と梅川監督。たとえ怒られかねないミスでも、笑い飛ばすことで緊張せず、センターコートの大舞台でも力を発揮した。